葉山(村山)はやま(むらやま)

村山市西端に位置し、北は大蔵村、南は寒河江市との境にあたる。麓の村山平野側からみると、連なる稜線と山容は馬蹄型になっており、火山であった面影を残す。山麓から山頂近くまでブナの原生林が見られ、県の天然記念物に指定されているトガクシショウマをはじめ、ドウダン、チングルマ、ハクサンシャクナゲ等の高山植物の群生地もある。山頂付近、とくに奥の院あたりからは、至近に見える月山をはじめ朝日・鳥海・蔵王・飯豊・吾妻などの山並みの大眺望が展開する。 
 葉山は古くから山岳信仰*の対象となっており、役行者の弟子行玄によって702(大宝2)年に開かれたと伝えられている。山頂近くにある葉山(白磐)神社は古くから葉山修験と慈恩寺修験の奥の院として崇拝され、多くの信者が登拝した。登山コースとしては、村山市側あるいは寒河江市側から入り、お花畑を通る畑コース、立岩コース、岩野コースやブナの原生林の中を歩くシャムコース、月山の登拝口でもあった肘折温泉から入る肘折コースなど7コースある。
#

みどころ

山頂付近からの月山の迫力ある大眺望が見事。鳥海、蔵王、朝日、飯豊、吾妻など山形の名山が遠望できる。
 ブナの原生林も山麓から山頂近くまで点在しており、清々しい緑や紅葉が登山者を包んでくれる。(志賀 典人)
#

補足情報

*古くからの山岳信仰:古くから、奥深く聳え立つ山々である深山に対し、里に近く山容が美しい山を端山と呼び、穀霊神や祖霊神が宿る山として里人から信仰を集めていた。それに修験道や仏教の考えが混淆、習合し、葉山信仰となっていった。現在の登山口のひとつである畑付近には、修験道の堂宇や宿坊があった。また、葉山山頂から月山、湯殿山への修験者の道も開かれていたといわれ、かつては葉山が羽黒三山の一つとされ、湯殿山が三山の奥の院とされていた。この端山・深山の信仰は、南東北で広まったといわれ、各地に”はやま”の名の山があり、この「葉山と月山」と同様に、米沢での「羽山と吾妻山」、長井での「葉山と朝日岳」、上山での「葉山と蔵王山」などがその名残だといわれている。
関連リンク 寒河江市(WEBサイト)
関連図書 『分県登山ガイド 山形県の山』山と渓谷社、2017年
参考文献 寒河江市(WEBサイト)
寒河江市(WEBサイト)
寒河江市(WEBサイト)
大蔵村(WEBサイト)
JapanKnowledge(株式会社ネットアドバンス)(WEBサイト)

2020年12月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

あわせて行きたい