姥湯温泉うばゆおんせん

国道13号線の山形県と福島県の県境近くから県道、市道*で約14km。滑川温泉からは山道を4kmほどの一軒宿の温泉。吾妻山系の稜線に近い標高1,230mの深い渓谷の中にある。
 温泉の周囲は切り立った黄褐色の断崖絶壁で、渓谷はガレ場を呈しており、その中を渓流が駆け下っている。断崖の上や渓谷の下流は、コメツガ・ブナ・ダケカンバなどの原生林に包まれており、新緑、紅葉の時期は目にも鮮やかだ。断崖、ガレ場のあちこちからは、温泉が湧出している。
 宿は木造2階建て、シンプルな造りではあるが、清潔感がある建物だ。浴場は、露天風呂として混浴の岩風呂が2つと女性専用の岩風呂が1つあり、それに男性用、女性用の檜の内風呂が用意されている。開湯は1533(天文2)年だとされている。
 泉質は単純酸性硫黄温泉、泉温は51度。11月上旬から4月下旬まで冬期休業。
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みどころ

温泉への山道をたどっていくと、突然、前方の眺望が開け、背景の断崖絶壁と前景の緑の中、深い渓谷の奥に張り付くように姥湯温泉の建物が見え、その雄大な景観に目を奪われる。
 混浴の露天風呂からは、黄褐色の断崖絶壁と原生林のダイナミックな景観を見渡すことができる。
 露天風呂の湯は乳白濁色で、周囲の奇岩や樹木の色を映し開放感にあふれる。内風呂は檜風呂で、決して大きくはないが、落ち着いた雰囲気で温泉を楽しむことができる。
 宿からは1時間ほどの登山で標高1,538mの薬師森に行くことができる。途中、高山植物や吾妻山の尾根などの眺望を楽しめる。(志賀 典人)
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補足情報

*県道、市道:道路状況は舗装されているものの、幅員が狭い山道なので、運転には注意が必要だ。また、駐車場から宿までは吊り橋を渡り、小道を250mほど徒歩で行く必要がある。最後100mは急坂。
関連リンク 姥湯温泉 桝形屋(WEBサイト)
参考文献 パンフレット「姥湯温泉 桝形屋」

2020年12月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。