地底の森ミュージアムちていのもりみゅーじあむ

仙台市の東南部、地下鉄南北線長町南駅から西へ徒歩5分のところにある。旧石器時代を中心にしたテーマミュージアムであり、1996(平成8)年に開館した。正式名称は、仙台市富沢遺跡保存館である。
 富沢遺跡は、氷河期にあたる2万年前の湿地林跡の一角で、当時の人類が活動した痕跡が発見された、世界的にも貴重な遺跡である。地底の森ミュージアムでは、富沢遺跡をそのまま現地で保存して公開している。
 展示は3つのゾーンに分かれている。地下展示室の「よみがえる2万年前」では、遺跡が発掘されたままの状態で公開し、当時の様子を再現した映像を観ることができる。1階の常設展示室「解き明かされる2万年前」では、発掘された遺構や動植物を紹介。さらに野外展示では、2万年前の森の風景が復元・展示されている。
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みどころ

埋蔵文化財として、調査を終えたら埋めてしまうのではなく、2万年前の木の根や幹を見つかったままの状態で保存公開している。地下展示室は約900m2の広さがある。遺跡から見つかった木は、現在ではサハリン南部などに見られるグイマツ、絶滅してしまったトミザワトウヒなどが多い。また、シカのフンや焚火の跡が残っているところには、札をつけ明示している。
 氷河期は、年平均気温が現在より7~8度低かった。野外展示「氷河期の森」は、調査でわかった地形や植物にもとづき、草原・湿地をつくり、当時の景観を復元している。また、四季折々の花々も楽しむことができる。