巨釜半造おおがまはんぞう

宮城県の最北東に位置する唐桑半島の東岸、前田浜を境に、湾入部の北を巨釜、南を半造と称する三陸復興国立公園の名勝の一つ。石灰岩が海蝕されてできた奇岩・怪石が連なる景勝地であり、巨釜と半造を結ぶ遊歩道が整備されている。
 巨釜は波が暗礁によって複雑な流れ方をし、釜の中で湯が沸き立つ様子から名付けられた。半造は海食洞が多く、トンネル岩や、潮吹岩などがある。半造の名は、昔アワビがたくさんとれて繁盛と呼ばれていたが、それが訛ってハンゾウになったという説や、釜が半分だけ完成したような形状からついたとの説がある。間の前田浜は海中公園に指定されている。
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みどころ

巨釜半造は、長さ約20kmの唐桑半島の半ばに位置する。巨釜の突端には、高さ約16m、幅約3mの大理石の石柱が天を衝くように直立しており、折石(おれいし)の名で知られている。1896(明治29)年の三陸津波によって先端2mが折れて、この名が付いた。巨釜半造の周辺も、リアス海岸の特徴的な景観が見られ、南端の御崎には陰沼、陽沼、児置島、約30×約50mの平らな岩場が広がる八隻曳などの景勝が連なる。
 御崎には、2024(令和6)年4月にリニューアルオープンした唐桑半島ビジターセンターがあり、散策の拠点として利用できる。また、1000年余りの歴史を持つ御崎神社があり、地元の船乗りたちから信仰を集め、「おさきさん」の名で親しまれている。