日和山公園ひよりやまこうえん

日和山*は、市内中心地の旧北上川河口に位置する高さ54mの洪積段丘の孤立丘。頂上には、武神を祭る牡鹿十座の一つ鹿嶋御児神社が建立されており、社伝によれば、780(宝亀11)年が鎮座の起源である。中世には、奥州総奉行葛西氏の城があったと伝えられる。城域は東西約400m、南北約500mに及んでいたことが、発掘調査で確認されている。
 1689(元禄2)年には、芭蕉と曽良が訪れ、石巻の繁栄振りの様子が描かれている*。江戸時代からサクラの名所としても知られ、大正8年頃に公園整備が行われ、サクラのほかツツジで彩られ、今日まで市民の憩いの場所になっている。
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みどころ

日和山は、石巻市内を一望できる場所として知られている。眼下には北上川の河口から広く太平洋へと広がり、天気の良い日は牡鹿半島のほか、遠く松島まで見ることができる。石巻を訪れたらまず日和山公園へ行き、東日本大震災から復興した石巻の姿を眺めて、それから街中を歩くようにしよう。
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補足情報

*日和山:全国には約80か所の日和山があり、江戸時代千石船の出航の日和を見る場所や航路目標の重要な山であった。石巻の日和山東南の中腹に「マネキ」(航路を指示する場所)という通称名があった。
*おくのほそ道:「終に路ふみたがえて、石の巻といふ湊に出。・・・数百の廻船入江につどひ、人家地をあらそひて、竈の煙立つゞけたり。」と石巻の繁栄ぶりを伝える。路を間違えて松島から石巻に来てしまったというが、本当かどうか、特別の目的があったのではないか、芭蕉はスパイ活動をしていたのではと、歴史上、文学上で問題となる、「おくのほそ道」の箇所である。同行者曾良の日記には、日和山からの眺めを「石ノ巻中、残らず見ゆ」とある。
関連リンク 石巻市(WEBサイト)
参考文献 石巻市(WEBサイト)
一般社団法人 石巻観光協会(WEBサイト)
『おくのほそ道』松尾芭蕉

2023年07月現在

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