旧有備館および庭園きゅうゆうびかんおよびていえん

JR陸羽東線有備館駅を出てすぐ、静かな住宅街の中にある。江戸時代の仙台藩家臣である岩出山伊達家が開設した郷学(学問所)である。開校は岩出山伊達家十代邦直が当主の1850(嘉永3)年ころと考えられ、岩出山城本丸の北側にあった隠居所・下屋敷の敷地内に開設された。現存する有備館の「御改所(主屋)」は庭園の池に面して立つ建物で、岩出山伊達家二代宗敏によって1677(延宝5)年に建てられたとされる。
 庭園は、1715(正徳5)年、岩出山伊達家四代村泰によって整備されたと伝えられる。美しい回遊式池泉庭園は、仙台の茶人清水道竿(どうかん)によって1715(正徳5)年に造られた。城山を背景とし、周囲500mの池には4つの島を配している。一番大きな島、御中島には土橋が架けられ、島の中央には茶亭がある。
 1933(昭和8)年、建物と庭園は「旧有備館および庭園」として国の史跡・名勝に指定された。1970(昭和45)年に岩出山伊達家から岩出山町(現大崎市)に譲渡され、一般公開されるようになった。
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みどころ

大都市から離れている地にあるため、静かにゆったりとした気分で庭園を散策できる。茅葺の書院造の建物と池泉式庭園が、みごとに調和して美しい。

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