平庭高原ひらにわこうげん

JR八戸線、三陸鉄道リアス線の八戸駅から西南西へ約26km、久慈渓流の上流、久慈市と葛巻町の境界にある平庭岳の中腹に広がる高原で、久慈・平庭県立自然公園の一環をなしている。標高800m。
 国道281号の両側に4.5kmにわたって白樺林が続き、全体では369haに約31万本も林立しており、日本一の白樺美林といわれる。
 レンゲツツジの群落やハマナスの咲く草原が広がり、日帰り入浴も楽しめる平庭山荘やスキー場・パークゴルフ場、平庭闘牛大会*が行われる専用闘牛場などが整備されている。
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みどころ

平庭高原の道路沿いには日本一の美林と名高い白樺林が続き、白樺の樹皮の白さが際立つとても美しい景観が気軽に観賞できる。
 また、久慈市の「花」となっているレンゲツツジが高原に群生し、5月下旬から6月上旬には高原一帯を朱色に染めて美しい。7月中旬には白樺林の中、ヒメボタルが輝き出す。
 4.5kmにわたって続く白樺林に囲まれた道路を、自動車でのドライブのほか、自転車に乗る方にはぜひサイクリングでゆっくりと走ってほしい。また冬には、澄んだ空気の中、スノーシューで白樺林の中を歩くのも楽しい。
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補足情報

*平庭闘牛大会:久慈市と葛巻町との境にある平庭高原の闘牛場で毎年4回開催されている東北唯一の闘牛。久慈地域では古くから「南部牛」が主に農耕用や荷物を運ぶ役牛として飼育されてきた。江戸時代には久慈市の南隣の野田村地域で焚かれた塩を盛岡方面へ運んでおり、その際に先頭にたつ牛(ワガサ)を決めるため、角突きをさせたことが闘牛の始まりといわれる。南部牛は、短角種*の祖先である。
*短角種:日本短角種は、4種類ある和牛品種の一つ。日本で主に飼養されている黒毛和種がサシ(霜降り)が入っているのに対して、短角種は低脂肪で旨味の基となるアミノ酸を多く含む赤身の牛肉で、近年、健康志向や安全・安心を求める消費者のニーズもあり注目されている。日本短角種のルーツは、旧南部藩時代に物資輸送などのために飼養されていた日本在来種の南部牛にある。この南部牛に、アメリカから輸入したショートホーン種を掛け合わせて改良し、1957(昭和32)年に日本短角種として登録された。

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