ストーブ列車すとーぶれっしゃ

津軽鉄道は、津軽五所川原駅から津軽中里駅間20.7kmを45分で結ぶローカル線であり、1930(昭和5)年に開業。ストーブ列車もこの年の冬から運転を開始している。1944(昭和19)年から3年間物資欠乏のため中止したが、1947(昭和22)年から再びストーブ列車を運転し、現在に至っている。現在運行されているストーブ列車は4代目の客車、オハ46 定員80名に2台の石炭ダルマストーブ*が置かれている。乗車するためには運賃以外にストーブ列車料金が必要となる。するめや酒は車内販売で購入できる。
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みどころ

レトロな客車にダルマストーブをつけて暖房とし、車窓から地吹雪の景色を眺めるノスタルジックなストーブ列車であり、車内ではダルマストーブの上で焼いたするめと日本酒で味覚も楽しめる。小・中学校時代ダルマストーブの火付け当番で石炭やコークスをくべた記憶のある人にとっては懐かしく当時の記憶が浮かび出るだろう。
 防風林もなにもない雪原、地吹雪の中を、雪を巻き上げながら走るディーゼル機関車と客車は圧巻の光景で、特にディーゼル機関車にびっしり貼りついた雪の塊の姿は冬の厳しさと機関車の逞しさを感じることができる。
 冬季間のストーブ列車以外にも、五所川原立佞武多のお祭りの期間中には、ストーブ列車の車両で火を焚かない旧型客車を運行している。冷房がついていない車両で、窓を開けて自然の風を浴びながら田園の中を走る爽快感が心地良い。これ以外に風鈴列車(7月1日~8月31日)-津軽金山焼の風鈴を客車内に吊るし、俳句の短冊を下げた涼味豊かな列車や、鈴虫列車(9月1日~10月中旬まで)-駅員が心を込めて飼育した鈴虫のかごを車内の棚に置き、秋の可憐で繊細な虫の声が聞ける列車があり楽しめる。
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補足情報

*ダルマストーブ:明治から昭和中後期にかけて日本で使用された鋳鉄製の暖房器具で、その膨らんだ寸胴形からダルマストーブと呼ばれている。駅の待合室や学校の教室などで用いられ、石炭を燃料としていたが木材やコークスなども使われていた。