十和田市現代美術館とわだしげんだいびじゅつかん

十和田市の中心部にある公立美術館で、約40点の恒久設置作品を展示している。2001(平成13)年に当時の十和田市長によって、アートによるまちづくりが提唱され、2008(平成20)年にアートを体験する拠点施設として公立美術館「十和田市現代美術館」が開館されたもの。草間彌生、ロン・ミュエクなど世界で活躍する約40組のアーティストによる作品が展示されているほか、企画展スペース、カフェ、市民活動スペースなど多様な機能を持つ美術館で、敷地面積 4,358㎡、延床面積 2,199㎡。
 美術館内のみならず周辺の道路や空きスペースを活用して美しい景観を作り出すため、アートの作品やモニュメント、ストリートファニチャーなども新しく斬新なデザインで配置されているユニークな空間を作り出している。
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みどころ

十和田市では省庁再編による国の事務所の統廃合や合同庁舎整備に伴う出先機関の転居などで官庁街通りに多くの空き地ができてきたという。このことを逆手に取り、魅力的で美しい官庁街通りの景観を作り出すことを目指した「Arts Towada」計画の取り組みがこの事業のスタートである。この計画は官庁街通りという屋外空間、通り全体をひとつの美術館に見立て、多様なアート作品を展開していくものであるという。
 美術館の前には巨大な真っ赤な「アッタ」*や色とりどりの花模様の「フラワー・ホース」*などの作品が置かれており、通りを通行する人々にもひときわ目立つ。また美術館の通りを隔てた反対側にはアート広場があり、草間彌生のカボチャなどの彫刻群や、芝生の上に巨大で真っ白な彫刻「ゴースト」などが設置されている。美術館前の官庁街通りは4列約160本ずつのソメイヨシノと松の美しい並木が続き、その木陰には作品の様々なベンチやストリートファニチャーが置かれており、座って休憩しながらアートの空間が実感できる。
 美術館内部には奇をてらった作品が多く、美術作品としての理解は難しいかもしれないが、あまりにも強い意外性の連続に思わずひきこまれていくだろう。建物自体のデザインも外部との連続性を大事にするとともに、個々の展示室が独立した空間として分散して配置し、それらをガラスの廊下でつなげるユニークなものである。
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補足情報

*アッタ:コスタリカの熱帯雨林に生息するハキリアリをモチーフにした作品、森の木の葉を切り、菌床をつくってキノコを栽培して食する農耕アリ。
*フラワー・ホース:官庁街通りには戦前、旧陸軍軍馬補充部が置かれていたため「駒街道」と呼ばれていた。十和田市の馬との関わりと通りに咲く花々をモチーフにしたという。
関連リンク 十和田市現代美術館(WEBサイト)
参考文献 十和田市現代美術館(WEBサイト)
『青森県十和田市観光ガイド とわだ旅』 ガイドブック 十和田市

2023年08月現在

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