青森県立美術館あおもりけんりつびじゅつかん

青森駅の南西約7km車で約20分、三内丸山遺跡、県総合運動公園に隣接した緑豊かな空間の中にある。三内丸山遺跡と一帯の文化観光拠点として、また青森県の芸術文化を発信することを目的として2006(平成18)年開館している。
 展示作品はシャガールの大作「アレコ」の舞台背景画(9mx15m)4点(※第3幕はアメリカフィラデルフィア美術館が所蔵し、2024年3月まで長期借用予定)、弘前出身の現代美術家奈良美智の「あおもり犬」をはじめ棟方志功など青森出身アーティストの作品がある。
 建物は建築家青木淳*による設計で、三内丸山遺跡の発掘現場から着想されているという。地下2階、地上3階、延べ床面積21,133㎡。外壁の白い壁にはシンボルマーク*のネオンサインが設置され、夕刻には青く灯り幻想的な景観となっている。
#

みどころ

建物は三内丸山遺跡の発掘現場のような「土の大きな溝」(トレンチ)に「凹凸の白い構造体」をかぶせるという大胆な発想で造られており、「土の壁」と「白の壁」が表情豊かな展示空間を生み出し、三内丸山遺跡と一体化したイメージを創造するデザインとなっている。
 収蔵品は約3,000点、基本的に一作家一部屋という個展形式で常設展示されている。特に入り口にあるシャガールの作品が展示されているアレコホールの空間の大きさに驚かされる。一面が土になった床はまるで広場のようである。また「あおもり犬」は屋外半地下空間に設置され、美術館内部からガラス越し見ることができ、また外部からも歩道でこの空間に入ることができる。高さ約8.5m、横幅約6.7mの大きさに驚かされる。冬には頭に雪をかぶり帽子のように見えるのも作品の一部だろうか。外部空間をうまく取り込み、建物と調和させているのが大きな特徴である。
#

補足情報

*青木淳:1956年~ ポストモダニズムの気質と近代思想を融合させる建築家。ルイ・ヴィトンの松屋銀座、香港店などを手掛けている。2020(令和2)年6月リニューアル・オープンした京都市京セラ美術館(京都市美術館)の改修を手がけ、館長にも就任。
*シンボルマーク:「木」と「a」をモチーフにしており、パターン(繰り返しの群れ)を展開し「青い木が集まって森になる」という成長を描いている。美術館及びホームページで使用されているオリジナルフォント・サインはアートデザイナー菊地敦己による。
関連リンク 青森県立美術館(WEBサイト)
参考文献 青森県立美術館(WEBサイト)
『青森県立美術館』パンフレット
『博物館総覧』日本博物館協会編

2023年10月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。

あわせて行きたい