三内丸山遺跡さんないまるやまいせき

青森駅の南西約7km車で約20分、青森県立美術館や県総合運動公園に隣接した緑豊かな空間の中にある三内丸山(さんないまるやま)遺跡は日本最大級の縄文集落跡である。1992(平成4)年から始まった発掘調査では、約5,900~4,200年前の縄文時代前期~中期(紀元前約3900~2200年)の大規模な集落跡が見つかり、多くの建物跡や盛土、墓、土器や石器、貴重な木製品、骨角製品などが多量に出土した。2021(令和3)年には世界文化遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」として登録され、三内丸山遺跡はその主要な構成資産の一つである。
 遺跡内には入り口部分にガイダンス施設の「縄文時遊館」、屋外に当時の住居や生活施設などを復元した「縄文のムラ」とゆったりくつろげるピクニック広場がある。
●縄文時遊館
縄文土器のモニュメントが迎えるエントランス、遺跡のガイド映像が楽しめる縄文シアター、三内丸山遺跡へ誘う時遊トンネル、縄文人の暮らしや環境が体感できる「さんまるミュージアム」、縄文人が食していたであろうメニューを取り入れたレストラン…等々縄文時代の様子が解説されている。時遊館の一角には体験工房があり、ミニ土偶やアクセサリーなど、縄文グッズの手作り体験ができる。
●縄文のムラ
縄文時代前期~中期(紀元前約3900年~2200年)の大規模集落跡が見つかり、複数の建物跡*、土器や石器等の捨て場跡の盛土*、大人や子供の墓*、谷*などが一部当時の姿で復元されており、成熟した縄文社会を垣間見ることができる。
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みどころ

確認された大型竪穴式建物跡や大型掘立柱建物跡、出土したマメなどの栽培植物などは従来の縄文時代のイメージ*を覆すものであると言われている。三内丸山のシンボルともいえる大型掘立柱建物跡は、長方形の大型高床建物の跡。地面に直径約2m、深さ約2mの穴を4.2m間隔で6つ掘り、直径約1mのクリの柱6本で建物を支えた。地下水により空気に触れず、柱の周囲と底を焦がしていたため柱が腐食せずに残されており、当時の姿を想像して復元されている。その用途には諸説があり定まっていない。
 また大型竪穴式建物跡では長さ10m以上の大きな竪穴建物跡が複数見つかっており、そのうち長さ32mの建物を復元している。集会所や共同作業場、冬期間の共同家屋などの説がある。こうした復元された大型の建物が緑の草地の中に美しく立っており、写真撮影の絶好の被写体となっている。
 なお三内丸山応援隊のボランティアガイドが定時に50分間無料で遺跡をわかりやすく案内しているので、ぜひ参加してみたい。
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補足情報

*建物跡:大型竪穴建物跡、大型堀立柱建物跡など
*盛土:南盛土、北盛土(大量の土器、石器などが捨てられて盛り上がった丘のようになっている)
*墓:環状配石墓、大人の墓(土抗墓)、子供の墓(埋設土器)など
*谷:北の谷(木製品や漆器、動物や魚の骨、植物の種子などが残っていた)
*縄文時代のイメージ:竪穴住居が中心で、クリやキノコなど自然に育つ食べ物などを食していたとされていた。
関連リンク 三内丸山遺跡(WEBサイト)
参考文献 三内丸山遺跡(WEBサイト)
世界遺産 北海道・北東北の縄文遺跡群(縄文遺跡群世界遺産事務局)(WEBサイト)
buncul 文化庁広報誌ぶんかる(文化庁)(WEBサイト)
『青森県の歴史散歩』青森県高等学校地方史研究会(編) 山川出版社

2023年08月現在

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