鶴の舞橋つるのまえはし

JR五能線陸奥鶴田駅の東、県道153号線を利用して約7kmで「つがる富士見荘」の駐車場に、そこから徒歩で橋のたもとに着く。1994(平成6)年7月8日、日本一長い木製の三連太鼓橋「鶴の舞橋」として架けられたもので、全長300m幅3m、青森県産のひば材の丸太3,000本、板材3,000枚を使った美しい形の橋である。2016年にテレビCM*で知名度が全国規模になった。
 鶴の舞橋が架かる廻堰大溜池(まわりぜきおおためいけ)通称津軽富士見湖は、自然流水による貯水池であったものを、1660(万治3)年3月に用水補給のための堤防を築き、ため池にしたものと記録されている。その後、豪雨、融雪などにより幾度となく堤防が決壊し、修理が繰り返されてきた。大規模な改修工事の末、1960(昭和35)年に現在の形の池が完成したものである。水深約7m、満水面積281ha、池の周囲11kmのうち堤の延長4,178mは日本一の長さである。
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みどころ

岩木山の雄大な山影を湖面に美しく映す津軽富士見湖に木造三連太鼓橋は縦位置の優しいアーチを画き、その形と木製のためぬくもりを感じることができる。津軽富士見湖の西側からは鶴の舞橋を真横から見ることができ、長く続く橋の緩やかなカーブを描くシルエットが美しい。橋の途中にあるステージと呼ばれている屋根付きの休憩舎もデザイン的に美しくまた橋とのバランスもよい。橋のデザインは2羽の鶴が空に羽ばたく姿をモチーフにしたものという。
 橋のたもとにある「つがる富士見荘」は、天然温泉のある宿泊施設で浴室から鶴の舞橋や岩木山を展望できる。周辺には丹頂鶴を間近で観賞できる丹頂鶴自然公園があり、鶴の舞橋を渡った対岸にはベコニアの花壇や遊具などが設置されている富士見湖パークもある。
 青森県鶴田町には「鶴」にちなんだ看板やモニュメントなど鶴がモチーフのものが数多くある。陸奥鶴田駅には電車の到着メロディに鶴の鳴き声、また駅舎内に鶴の置物や駅舎天井に飾られた鶴型の凧などもある。鶴の舞橋とあわせて鶴田町を散策するのも楽しい。
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補足情報

*テレビCM:女優・吉永小百合が出演するJR東日本「大人の休日倶楽部」の広告
https://www.jreast.co.jp/otona/tvcm/sakasafuji.html