アトサヌプリ火山群あとさぬぷり

アトサヌプリは屈斜路カルデラ*の中央部に形成されたアトサヌプリ火山群*中の標高508mの山で、別名硫黄山とも呼ばれている。現在も活発に火山活動が続いている山、独特な景観を生み出している。
 この地域は、かつて硫黄の採掘で栄えたものであり、この地に鉄道を敷設させるとともに川湯温泉の発展につなげていったという歴史をもつ。ただし鉄道が開設されたことで硫黄の採掘量が増え、わずか9年で硫黄の採掘も終焉を迎えたという。
 アトサヌプリの語源はアイヌ語で「裸の山」という意味。
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みどころ

山麓から頂上にかけて大小無数の噴気孔から爆発音をたてて硫気を吹き出しており、勢いよく噴気があがる様はダイナミックな地球の鼓動を間近に感じられる。その噴気孔には美しい黄色の硫黄の結晶ができており、硫黄の独特のにおいがあたり一面に立ち込めている。
 硫黄山の山麓には、酸性土壌を好むエゾイソツツジ*の群落が約100万m2に広がっている。厳しい環境の中でも可憐な花が6月~7月にかけて咲き乱れ初夏を美しく彩る。この群落をゆっくり歩いて散策できるのが「つつじヶ原自然探勝路」で、川湯温泉の街から硫黄山まで、およそ5kmの小路が続き目を楽しませてくれる。
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補足情報

*カルデラ:古い火山の火口が陥没してできた大きな窪地で直経が数10km以上に及ぶものもある。
*アトサヌプリ火山群:アトサヌプリ・マクワンチサッブ(最高峰574m)・サワンチサブ・仁伏・オヤコツ・トサモシベ・オプタテシケなどの小火山の集合である。
*エゾイソツツジ:北海道の固有種で、草丈30~70cmくらいの常緑小低木。花は、可愛らしい小さな白い花が多数集まって球状に咲き、長い雄しべが特徴的。川湯温泉硫黄山麓の100万m2もあるエゾイソツツジ群落は圧巻。
関連リンク 弟子屈なび(一般社団法人摩周湖観光協会)(WEBサイト)
参考文献 弟子屈なび(一般社団法人摩周湖観光協会)(WEBサイト)
気象庁(WEBサイト)

2024年01月現在

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