十勝千年の森とかちせんねんのもり

JR帯広駅の西方約30km、十勝平野の西端を南北に連ねる日高山脈の麓にあり、山脈と十勝平野をつなぐ境界に位置している。標高は約275~460m、高低差は185mほどで、全体が緩やかな斜面になっている。敷地面積は約4km2あり、冬は厳しく、寒暖差の激しい場所だが、東向き斜面のため太陽の恵を多く受ける庭造りの適地にある。
 十勝毎日新聞社が創設者であり、「新聞は大量の紙を使う。環境破壊を毎日繰り返している仕事だ。植樹をして、森を造っていけば、カーボン(二酸化炭素)をオフセット(相殺)できる」という志のもとで、1991(平成3)年から人が自然と触れ合える機会を創出する森づくりに着手した。当時はバブル経済の勢いの中にあり、リゾートホテルやゴルフ場などの大規模施設開発が推奨される時期であったが、森、農業、教育、エコツーリズムを柱とした計画とし、企業の社会的責任としてカーボンオフセットのための森づくりに取り組んだ。
 園内にはアースガーデン(大地の庭)、フォレストガーデン(森の庭)、メドウガーデン(野の花の庭)、ファームガーデン(農の庭)、hgSデザイナーズガーデンが設けられ、それぞれのテーマのもとで整備されている。周辺の雰囲気によく溶け込んだレストランやショップも営業している。北海道ガーデン街道の8つのガーデンのうちの1つでもある。英国のガーデンデザイナーであるダンピアソン氏との協働により作られた野の花の庭、大地の庭は「世界で最も美しい庭」として英国のガーデナーズ協会より表彰された。
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みどころ

時間が許せば半日は過ごせる場所である。セグウェイによるガイドツアーが催行され、年齢に関係なく多くの方が楽しんでいるようである。園内のカフェでは自然の素材にこだわったソーダ水やベーグルが提供されており、木々や花々にふさわしい、飲食品の色合いも楽しめる。園地奥の芝生広場の向こう側の高台の上からは千年の森全体を見渡すことができるとともに、遠方には帯広の中心街を望み、十勝平野を一望することができる。何かを観賞するというより、こうした環境の中に身を置いて、自然との共生を意識しつつ、のんびり時を過ごすことが、この施設の魅力の核ではないだろうか。
関連リンク 十勝千年の森ホームページ(WEBサイト)
参考文献 十勝千年の森ホームページ(WEBサイト)

2023年12月現在

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