朱鞠内湖しゅまりないこ

1943(昭和18)年の雨竜第一ダムの完成によって生まれた日本最大級の湛水面積(広さ23.73km2)をもつ人造湖。周囲の山々の地形によって、リアス式海岸のような入り組んだ湖岸となっており、大小の13の島々が浮かぶ様子や、周囲の原生的な森林によって、自然湖を思わせる景観である。内陸に位置し、標高は高く(湖面標高282m)、盆地状の地形のため、北海道内でも特に寒冷な地域として知られている。原生林に囲まれた湖のため湖岸に近づける場所は朱鞠内湖展望台、朱鞠内湖畔キャンプ場にほぼ限られている。
#

みどころ

規模が大きく、人造湖によく見られる減水時の土砂の露出もなく、周囲の森林が湖に迫る姿もあって、自然湖を思わせる。周囲を高い山々が囲んでいるわけではないのだが、あたりには人工物が全く見えず、特徴的な形状もあって、独特な原生性を感じさせる。この湖を高所から見下ろすような展望台はない。雨竜第一ダムのそばの湖面から数メートルの位置に朱鞠内湖展望台があり、ここからおおよその風景を眺めることができる。この湖の素晴らしさは、朱鞠内湖畔キャンプ場から水際に近づくことによって鮮明になるだろう。対岸の木々の幹の白さと、その対比として湖の青がとても美しい。ひたすら静かであり、鳥の声があたりに響く。手漕ぎボートや遊覧船などもあるようだが、こうした場所では、湖をじっと眺めているのも良いのではないだろうか。立ち寄るにしても、なるべく長い時間をかけたい。キャンプ場が整備されているので滞在も可能である。