由利本荘市は、秋田県南西部に位置する。南は鳥海山、東は出羽丘陵に囲まれ、西は日本海に面する。中央を子吉川が貫流して日本海に注ぐ。南部の山間地域、子吉川流域地域、西部の海岸平野地域の3地域からなる。中心となる旧本荘市地区は子吉川と支流の芋川、石沢川の形成した沖積平野にある。北は秋田市、南はにかほ市、東は大仙市、横手市、羽後町、湯沢市に接している。
 海岸寄りにJR羽越本線が縦貫し、羽後本荘駅から由利高原鉄道鳥海山ろく線が分岐して矢島駅に至る。海岸沿いを国道7号が走り、105号、107号、108号、341号、398号の各国道が東西に通じている。また、日本海東北自動車道の本荘、松ヶ崎亀田、岩城の各インターチェンジがある。
 本荘平野の本荘米をはじめとして米作中心の農業が主産業。子吉川北岸の砂丘などでアスパラガス等の野菜やりんご等の果樹栽培が行われ、大内メロン、葉タバコなども栽培される。林業やシイタケ、ナメコ、タケノコなどの栽培、大内牛などの畜産や酪農もある。日本海側では漁業が盛んで、クルマエビ、マダイ、桜マス、ヒラメなどが漁獲される。その他、工業は製材やベニア板の製造、電子部品や弱電企業進出もみられる。旧本荘市地区では本荘塗、本荘こけし、刃物などを特産する。
 亀田城跡や美術館などを備えた「天鷺郷」、江戸中期につくられた土田家住宅は県最古級の民家で国の重要文化財に指定。法体の滝と甌穴は県の名勝および天然記念物、本海番楽は国の選択無形民俗文化財。鶴舞温泉や芋川上流に滝温泉、鳥海山麓に湯ノ沢温泉がある。矢島地区に鳥海山への登山口があり、二合目の花立牧場高原一帯ではスポーツやレジャー施設がつくられている。他、本庄マリーナ海水浴場、ハーブワールドAKITA、県立岩城少年自然の家、秋田県立大学のシステム科学技術学部や東北大学の地震・噴火予知研究観測センター(地震観測所)等がある。

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法体の滝の写真

法体の滝 (秋田県 由利本荘市 )

JR羽越本線羽後本荘駅から南東に約48km、由利高原鉄道矢島駅から約25km、鳥海山の東麓、子吉川の起点から2kmほどの渓流沿いに流れ落ちる末広がりの瀑布。約10万年前の鳥海山の噴火で東に向かって流れ出た法体溶岩流によって形成された末端崖と側方崖が下玉田川や赤沢川などによって侵食され、末端中央部には上玉田川により溶岩原を横断するよ...