大館市は、秋田県北東北部、大館盆地に位置する。
 奥羽山脈の西縁、出羽丘陵の米代川流域の大館盆地にあり、盆地内部には米代川の他、長木川、下内川、犀川、引欠川、早口川、岩瀬川等の小河川が流れ、盆地床に広く平地を形成。それぞれの河川の流域には河岸段丘が見られる。米代川と長木川が合流する台地上に大館城跡があり、現在では市役所などのある市街地をなす。長木川を越えた低地に大館駅や商店街がある。周辺の山地には秋田杉が多いが、長木沢国有林はとくに美林として知られ、人工造林も進められている。面積の約 79%が山地で占められている。
 北東は小坂町、東は鹿角市、北西は藤里町、南西は北秋田市に接し、北側は青森県弘前市、平川市、大鰐町、西目屋村に接している。県北部の政治、経済、交通の中心をなしている。JR奥羽本線が通じ花輪線を分岐し、また国道7号(羽州街道)、103号、285号が通じている。
 古代から中世にかけて、一帯は火内(比内)と称した。鎌倉時代は浅利氏の支配下、戦国時代には豊富な森林資源と鉱山をめぐって安東(秋田)、南部、津軽各氏の抗争の地となった。江戸時代は佐竹氏秋田藩領で、佐竹氏一族の小場氏が大館城代となってこの地を治めた。
 秋田杉等の天然資源を背景にした製材業、木工品、家具製造業などが主要産業で、木工品の大館曲わっぱは国指定伝統工芸品。農業は米作のほか、野菜、ホップ、葉タバコ栽培、養鶏、畜産などにも力を入れている。かつては花岡鉱山などが操業していたが、鉱山の閉山後は鉱山技術を活用した資源リサイクル産業や医療機器・医薬品製造などの健康産業が大きく発展している。
 大滝、日景、矢立、雪沢、大葛の温泉がある。国指定天然記念物に秋田犬、声良鶏、比内鶏のほか、長走風穴高山植物群落、芝谷地湿原植物群落、ザリガニ生息地がある。八幡神社本殿は国指定重要文化財、曲田の北鹿ハリストス正教会聖堂は県指定の文化財。北部の田代岳は県立自然公園になっている。きりたんぽの本場としても知られ、10月中旬にはきりたんぽ祭りがある。

観光資源一覧

秋田県北部地方のきりたんぽ鍋の写真

写真提供:発祥の地 鹿角きりたんぽ協議会事務局

秋田県北部地方のきりたんぽ鍋 (秋田県 鹿角市 / 秋田県 大館市 )

新米を炊いて突きつぶし、秋田杉の串に握り付け、炭火で焼目をつけたものが「たんぽ」。これを切って用いるところから「きりたんぽ」という。この「きりたんぽ」を鶏肉・ネギ・セリ・ゴボウ・キノコ類・蒟蒻などとともに薄く味つけして煮込む鍋物料理である。「たんぽ」の名は、蒲の立ち穂を鹿角地方の方言では「たんぽ」といい、その形状が...