那珂川町は、栃木県の中東部に位置し、大田原市、那須烏山市、さくら市、茨城県常陸大宮市、大子町に接する。八溝山から南西方向に山地が連なり、高倉山と鷲子山を中心とする山間地域、町域を南流する那珂川沿いに広がる平坦な地域、喜連川丘陵に位置する西部丘陵地域の3地域で形成されている。
 国道293号が東西に、294号が南北に走り、両国道と重複する400号も通じる。町の東部には国道461号が通じる。
 那珂川右岸の小川、吉田地区には多くの古墳が築造され、吉田温泉神社古墳群、那須八幡塚古墳群、駒形大塚古墳などを一括し、那須小川古墳群として国の史跡に指定されている。一帯は、古代には下野国那須郡の中心地であったとみられ、小川には那須郡衙が置かれていた(郡衙跡は国指定史跡)。江戸時代には大山田煙草の名で知られた葉タバコや和紙が特産。那珂川の舟運は大正期まで重要な輸送手段で、久那瀬、三川又は河岸場であった。
 現在の基幹産業は稲作を中心とした農業で、ナシなどの果樹や野菜、キノコの栽培、酪農、養豚なども盛んである。
 那珂川はアユが豊富で、多くの釣り客が訪れ、観光簗漁も行われる。小砂焼は水戸藩御用陶器の伝統を誇る。「那珂川町なす風土記の丘資料館」、「馬頭広重美術館」などの文化施設があり、また東部の八溝県立自然公園域内にはカタクリ山公園、馬頭温泉郷などが所在。茨城県との県境に鷲子山上神社がある。同神社の本殿、楼門(随神門)は1990(平成2)年に全国で初めて栃木、茨城の両県から文化財の指定を受け、「県境にある霊峰」として知られる。

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那珂川町馬頭広重美術館の写真

写真提供:那珂川町馬頭広重美術館

那珂川町馬頭広重美術館 (栃木県 那珂川町 )

歌川広重の肉筆画や歌川派の浮世絵版画、小林清親を中心とした明治の版画、川村清雄の油絵等、「青木コレクション」*を中心に展示している。  来客は、浮世絵目的の他に、美術館の建物見学に訪れる人も多い。建物の設計は隈研吾。彼の出世作とも位置づけられている建物である。地元産の八溝杉の格子で覆われ、平屋建で切妻の大屋根が流れ...