新城市は県東部にあり、東から南は静岡県浜松市、南西は豊橋市、西は豊川市、岡崎市、北西は豊田市、北は設楽町、東栄町に接する。
 JR飯田線、新東名高速道路、三遠南信自動車道(国道474号)、国道151号、257号、301号が通じる。
 東三河のほぼ中央に位置する。豊川の中流域を占め、東に八名山地、西に三河高原を控え、豊川流域の段丘地以外はすべて山林。国定公園や県立自然公園に指定されている区域が広がる。市のほぼ中央部を木曽山系の南端を形成する本宮山・雁峰山・宇連山が標高500~900mの峰を連ね北設山間地帯へと続く。段戸高原を源とする豊川(寒狭川)、宇連ダムを起点とする宇連川が長篠城址の下で合流して豊川本流となり、新城地区の中央を流れている。巴山を源とする巴川は、市場地区の白鳥神社前付近の分水点で別れ豊川・矢作川へと注がれている。作手地区には6 か所の湿原が点在しており、愛知県で唯一土の酸素が少なく酸性が強いため植物が腐らずに炭のようになるでい炭のある湿原であることから「日本の重要湿地500」に選定されている。作手は平均標高550m、北部を愛知高原国定公園、南西部を本宮山県立自然公園が占める高原地域でもある。
 1958年(昭和33)市制施行。2005年(平成17)鳳来町、作手村と合併して現在の市域となる。1648年(慶安1)以来菅沼氏7000石11代、223年間の城下町。伊那街道の宿場町、豊川舟運の河湊で水陸交通の中継地。町民のなかには俳人太田白雪(1661―1735)のような文化人も輩出し、芭蕉も白雪を訪ねている。
 第二次世界大戦後の近代工業化(ゴム、電機など)は著しく、市内には工業団地が多い。1993年(平成5)東三河地方拠点都市地域に指定された。里芋・お茶・梅・高原野菜などを特産する。
 旧跡・文化財が多く、設楽原は長篠の戦いの決戦場として知られ、設楽原歴史資料館がある。ほかに徳川家康ゆかりの鳳来寺や東照宮、日本戦史で有名な長篠の戦いの地となった長篠城址や宇利城跡、野田城跡、黒田の望月家住宅、林光寺の薬師如来坐像(国指定重要文化財)がある。民俗文化財では信玄原の火おんどり(怨霊供養、県指定無形民俗文化財)や、大海の放下(盆供養の念仏踊、県指定無形民俗文化財)がある。また、5月の長篠合戦のぼりまつりや7月の設楽原決戦場まつりなどでは、火縄銃実演の演武がある。ほかに県営新城総合公園、「三河の嵐山」とも呼ばれる桜淵公園や、霊鳥仏法僧の棲む山として全国的に知られる鳳来寺山(国の名勝)、また日本の滝百選にも指定されている全長64mの「阿寺の七滝」、大小様々な洞穴と巨岩の奇観が見所の峡谷「乳岩峡」、夏のレジャースポットとして人気のある「作手高原」、1,300年の歴史を誇る湯谷温泉がある。

観光資源一覧

鳳来寺山の写真

鳳来寺山 (愛知県 新城市 )

JR飯田線本長篠駅から豊鉄バス(田口行き)で約10分。鳳来寺バス停で下車。門谷の町並みを北に進むと、標高695mの急峻な鳳来寺山が眼前にせまる。鳳来寺山は旧鳳来町の象徴ともいうべき山で、愛知県の県鳥で「ブッポウソウ」*の鳴き声で知られるコノハズクの生息地としても知られる。  表参道を5分ほど歩くと、樹齢1400年と推定されるネズ...