知夫村は県北東部、隠岐郡知夫里島1島よりなる村。島根半島沖合の日本海に浮かぶ隠岐諸島の最南端に位置し、本土と最も近く島根県の七類港から44kmの距離にある。
北東部の来居港と島前、島後の諸港や、本土の七類港(松江市美保関町)、境港(鳥取県境港市)との間に定期航路がある。
知夫村の主島である知夫里島は東西に長く、西側に位置する最高峰の赤ハゲ山(325m)から東に高峯(169m)、松尾山(179m)、大峯(153m)を経て、最も東に位置する高平山(149m)まで山が連なり、海蝕により山と絶壁が海岸線に迫る。島の南側は外海に向かって比較的緩やかな傾斜で集落の大半が形成され、前面には神島や浅島、島津島などが浮かび、瀬戸内的な雰囲気を醸し出している。
歴史は古く、飛鳥時代の遺跡から出土した木簡(都に納める荷物に添付された荷札)には、既に「知夫」の名が登場している。地名の由来については、大陸との交通の要所であるこの地に、海路の旅の安全を守る神「道触神(ちぶりのかみ)」を奉祀し、沖合を航行する船の安全を祈ったことから、「ちぶ」の名が誕生したと考えられている。明治以前には「ちぶり」と読んでいたが明治以降に「ちぶ」と読むようになった。古くから1島1村で、隠岐諸島のなかでもっとも本土に近く、隠岐の入口にあたる。
南端に天然の良港の知夫湾がある。近年まで牧畑耕作が行われていた。いまでも、農業のほとんどが肉用牛の肥育となっている。
赤ハゲ山から西側は雄大な海蝕崖が形成され、島の南西部にある断崖の隠岐知夫赤壁(国指定名勝・天然記念物)などが大山隠岐国立公園の指定を受けている。隔年7月下旬には一宮神社大祭、牛の海泳ぎなどの行事がおこなわれている。

観光資源一覧

知夫赤壁の写真

写真提供:知夫里島観光協会

知夫赤壁 (島根県 知夫村 )

知夫里島の西海岸に続く約1kmの海食崖をいう。玄武岩質のマグマにより形成された、高さ50~200mの削り取られた雄大な断層崖。隆起による2段の波食海壇をなし、断層崖は凝灰岩の赤・黄、玄武岩の黒、粗面岩岩脈の白色がみごとなコントラストをみせ、特に鮮やかな赤色が紺碧の空と海に映える。  海上から眺めるのが普通だが、赤壁の北にある...