葛巻町は、岩手県北部、北上高地に位置する。総面積の97%が400m以上の標高にあり、また町の86%が森林で占められる。山の斜面は林地、土谷川、袖山、上外川等の高原状の頂上部は牧場として利用されている。盛岡市、久慈市、岩手町、岩泉町、九戸村、一戸町と接する。国道281号と340号が交差する。盛岡から八戸への交通の要路にあたる。
 町内からは旧石器時代の遺跡や縄文時代の遺跡が発掘されており、歴史は古い。1665(寛文5)年に南部藩から分藩した八戸南部氏の有するところとなった。古くから牧が作られ、軍馬の産地として知られており、江戸時代には南部藩の塩が運ばれた野田街道の宿場町として栄えた。1892(明治25)年にホルスタイン種を導入して以来酪農が盛んになり、現在では東北一の酪農郷として発展している。
 林業と酪農を基盤とする。守山乳業製酪工場が立地しており、県酪農の先進地区の一つとなった。特産品に、山ぶどうワイン、牛乳、チーズ、バター、ヨーグルト、アイスクリーム、くずまき高原牛、カステラ、そば、雑穀、炭等がある。近年は北上山系大規模産業開発事業が進められており、地域の資源を宝に自然の恵みを生かした「ミルクとワインとクリーンエネルギー」に取り組んでいる。
 北東部にある県立自然公園の平庭高原は、日本最大規模と言われる30万本の白樺林とレンゲツツジの群生地として知られている。内陸部には珍しいハマナスの群生地もある。

観光資源一覧

平庭高原の写真

写真提供:一般社団法人東北観光推進機構

平庭高原 (岩手県 久慈市 / 岩手県 葛巻町 )

JR八戸線、三陸鉄道リアス線の八戸駅から西南西へ約26km、久慈渓流の上流、久慈市と葛巻町の境界にある平庭岳の中腹に広がる高原で、久慈・平庭県立自然公園の一環をなしている。標高800m。  国道281号の両側に4.5kmにわたって白樺林が続き、全体では369haに約31万本も林立しており、日本一の白樺美林といわれる。  レンゲツツジの群落や...