美濃市は、県中南部の商工業都市。北は郡上市に接し、東・西・南を関市に囲まれる。
 長良川鉄道が通じるほか、国道156号、東海北陸自動車道が通じ、美濃インターチェンジがある。
 市の中央を南北に長良川が貫流し、板取川がこれに合流し、合流点よりやや下手の東岸台地を中心に市街地が発達。北部及び東西部は、板取川・長良川をはさんで急傾斜の山が連なり、南部は長良川による沖積平坦地である。北方には瓢ヶ岳がそびえる。
 1954年(昭和29)美濃町と6村が合併して市制施行。戦国大名金森長近が1600年(慶長5)ころに長良川畔に小倉山城を築き、その麓の台地に近在の商業中心町を開いたのが始まりで、美濃紙の集散地として栄えた。かつては長良川の水運の拠点でもあり、川岸の灯台がその名残をとどめる。
 美濃和紙の産地として有名。美濃紙の製造は板取川沿いの牧谷を中心に行われ、集落により特色のあるものが漉かれ、蕨生地区中心に保存されてきた優秀な手漉き和紙技術は国指定の重要無形民俗文化財、美濃和紙は国指定の伝統工芸品となっている。現在は和紙などの製造にかわり、刃物製造の下請、縫製加工などが行われる。
 中心市街に「うだつ」のある家が残されており、小坂家住宅は国の重要文化財、また町並み一帯は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。また、本美濃紙は2014年(平成26)に「和紙―日本の手漉和紙技術」として、島根県浜田市の「石州半紙(せきしゅうばんし)」(石見半紙)、埼玉県小川町、東秩父村の「細川紙」とともに、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録された。大矢田神社のひんここ祭りのほか、毎年開催される美濃和紙あかりアート展は、「美濃和紙」と「うだつの上がる町並み」のコラボレーションとして、数多くの独創的なあかりの作品が展示され、幻想的な世界が醸し出される。

観光資源一覧

美濃町の町並みの写真

写真提供:(一社)美濃市観光協会

美濃町の町並み (岐阜県 美濃市 )

岐阜市から長良川を20kmほど上流の県南部中央に位置し、美濃紙*の本場として知られる。市域中央で長良川と支流板取川が合流し、その合流点の南に中心市街が開ける。古くは上有知(こうずち)と呼ばれた地で、江戸時代初期に高山の町並みを作り上げた金森氏*が築き、小倉山城*の城下町として発達した。往時は長良川の水運を利用した、紙や...