揖斐川町は、県南西部にあり、揖斐郡の中心町。北は福井県の南越前町、池田町、大野市、東は本巣市、南は大野町、池田町、垂井町、関ケ原町、西は滋賀県の米原市、長浜市に接する。
 養老鉄道、樽見鉄道、国道303号、417号が走る。
 南西部から北西部にかけて標高1,100~1,300m前後の山々がそびえる。その山間を縫うように揖斐川、坂内川、日坂川、根尾川、粕川などが流れ、山間部を流れる河川は揖斐川に注ぎ、根尾川は大野町南部で揖斐川に合流している。南東部は濃尾平野の最北端に位置する平坦地で、市街地及び田園地帯となっている。町域の90%が森林。
 1955年(昭和30)揖斐町と4村が合併して揖斐川町と改称。1956年(昭和31)養基村の一部を編入。2005年(平成17)に5村と合併して現在の町域となる。1631年(寛永8)以来、幕末まで美濃国代官頭岡田氏の在住地となり、城下町と揖斐谷の谷口集落を兼ね、町並みが形成された。
 米麦作のほか、大豆や野菜栽培が行われる。また、良質な揖斐茶を産する。このほか、伊吹山麓は薬草の宝庫として知られる。「あられ」などを生産する食品工場もある。
 戦国時代の武将稲葉一鉄の墓のある月桂院、西国三十三番札所満願霊場となる谷汲山華厳寺、国の重要文化財の木造薬師如来坐像が安置された両界山横蔵寺などがある。そのほか、揖斐川には揖斐峡、小津渓谷、不動滝、花房滝、夜叉ヶ池などの景勝地のほか、横山ダムや久瀬ダム、日本最大の総貯水量の徳山ダムがある。また、久瀬温泉や谷汲温泉、スキー場やキャンプ場などもある。三輪神社の揖斐祭り(5月4、5日)は子供歌舞伎で知られる。

観光資源一覧

華厳寺の写真

写真提供:(一社)岐阜県観光連盟

華厳寺 (岐阜県 揖斐川町 )

岐阜市の中心街から北西20kmほどの山中にある。西国三十三所*第33番、結願の霊場で、「谷汲(たにぐみ)山」と呼ばれ親しまれている。798(延暦17)年に創建された古刹。  寺伝によると、奥州(福島県)会津の大口大領が京都から故郷に観音像を持ち帰る途中、観音像が自ら歩き出し谷汲の地で動かなくなったことから、この地を結縁の地として...

横蔵寺の写真

写真提供:(一社)岐阜県観光連盟

横蔵寺 (岐阜県 揖斐川町 )

華厳寺の西方、西台山麓にある。最澄は、1本の霊木から2体の薬師如来を自ら刻み、1体を比叡山延暦寺(滋賀県大津市坂本)に祀り、もう1体の安置場所を求めて諸国を巡った。平安時代801(延暦20)年にその薬師如来*を本尊として横蔵寺を創建したと伝えられる。鎌倉時代には38坊、300余の末寺となり栄えた。室町時代には兵火や災害によって衰...

谷汲踊の写真

写真提供:揖斐川町

谷汲踊 (岐阜県 揖斐川町 )

長さ4mの竹製で鳳凰の羽根を形取った「シナイ」を背負い、胸先に直径70cmの大太鼓を抱えた12人が1組となって踊る。揖斐川上流の各地に伝わる「太鼓踊り」の一つである。  シナイは4m程の竹を細く割り裂いて広げ、扇状に束ねて作り、竹の1本1本に金銀五色の紙を飾り、華やかな模様になっている。鉦鼓(しょうこ)、ホラ貝、横笛、拍子木、唄・...