土岐市は、県南東部にある陶磁器工業都市。東は瑞浪市、西は多治見市、可児市、南は愛知県瀬戸市、豊田市、北は御嵩町に接している。
 JR中央本線、国道19号、21号、363号が通じ、中央自動車道土岐インターチェンジ、東海環状自動車道土岐南多治見インターチェンジがあり、両自動車道は土岐ジャンクションで接続している。
 北部を横断する土岐川流域及び支流の肥田川、妻木川流域の平坦部に開け、中央丘陵を環状に取り巻くように形成されている。なお、中央部の丘陵地は陶土採掘や窯業用燃料として樹木を伐採したために昭和初期にははげ山と化していたが、その後約50年間にわたり治山事業が続けられ、現在は緑豊かな丘陵が取り戻されている。南部は急峻な山地。
 1955年(昭和30)5町3村が合併して市制施行。東濃地域は、良質な陶磁器用粘土が豊富なことから、1300年以上の歴史をもつ古来からの焼き物の産地として発展してきた。17世紀以降は日用食器の生産が主体となり、明治以降は量産化が進み、現在にみられる基幹産業である陶磁器産業の基盤が形成された。
 陶磁器製造が主産業で、生産額は東濃の他の都市をしのぐ。和飲食器には土岐津、泉の番煎茶碗、下石の徳利、駄知の丼、肥田の皿などがあり、洋飲食器生産は土岐津、妻木をはじめ各地でおこなわれている。東濃研究学園都市構想が進められ、土岐プラズマ・リサーチパーク、核融合科学研究所などがある。
 泉地区の久尻には乙塚古墳、元屋敷窯跡があり国指定史跡である。美濃の壺石、白山神社のハナノキおよびヒトツバタゴは国の天然記念物。妻木の標高約400mの城山は、土岐(妻木)氏の城跡で、麓に武家屋敷跡もある。なお、同所の八幡神社では毎年10月に流鏑馬の神事がある。南部の高原には柿野、曽木の温泉があり、三国山は美濃、尾張、三河にまたがり、眺めがよい。

観光資源一覧

美濃焼の写真

写真提供:(一社)岐阜県観光連盟

美濃焼 (岐阜県 多治見市 / 岐阜県 土岐市 / 岐阜県 瑞浪市 / 岐阜県 可児市 )

美濃の南東部(主に多治見市・土岐市・瑞浪市・可児市)で焼かれたやきものを「美濃焼」という。この地域は窯業に適した地形と、原料の陶土や燃料の薪に恵まれていた。日本六古窯(ろっこよう)*の愛知県瀬戸市とは隣接した地域で、地中の粘土層は同質である。  奈良時代には、「須恵器(すえき)」という釉薬(うわぐすり)を施さない灰...