長万部町は、道南西部にあり、北は島牧村、黒松内町、西は今金町に、南は八雲町に接し、東は太平洋内浦湾に面している。
 沿岸部を国道5号が通り、長万部川河口付近で37号に分岐。道央自動車道の国縫、長万部インターチェンジがある。また、JR函館本線と室蘭本線が分岐する交通の要衝。東西には230号が通る。
 おおむね丘陵が起伏し、大部分が山地によって占められ、平地は内浦湾に沿って帯状に分布。長万部川、紋別川、国縫川沿いに平坦で肥よくな農耕地が広がる。海岸のほとんどは砂浜。渡島半島内浦湾の最深部に位置する。
 1943年(昭和18)町制。地名はアイヌ語のオシャマンペ (川尻が横になっているところの意) に由来。 1872年(明治5)函館支庁の長万部出張所を設置。
 静狩漁港を中心に沿岸漁業が行われており、ホタテ、ワカメ、ケガニの水揚げがある。1993年には国縫に日本初のワイングラス形の島式漁港が完成。港口に砂がたまらず海岸線もそこなわない漁港として注目されている。農業は畑作が主体で、畜産も普及。木材・木製品製造業や食品産業の諸工場も立地。
 東蝦夷地南部藩陣屋跡は史跡に指定。1955年(昭和30)に天然ガス試掘の際湧出した弱食塩泉の長万部温泉がある。また、ラジウム温泉で知られる二股温泉の石灰華ドームはアメリカのイエローストーン国立公園の間欠泉とともに世界的に珍しい現象として知られる。

観光資源一覧

長万部のかにめしの写真

写真提供:長万部観光協会

長万部のかにめし (北海道 長万部町 )

噴火湾北西部、函館本線と室蘭本線の分岐にある長万部、駅弁でおなじみの「かにめし」は長万部町の歴史・文化ともいえる特産品である。しかし毛ガニの歴史は浅く、一般に食べられるようになったのは戦後から。以前の内浦湾では刺網に毛ガニが引っかかることが多く、網を痛めるという理由で毛ガニは厄介者扱いだったという。  戦後の食材不...