滑川市
印刷する県中部にあり、東は魚津市、南は上市町、西は富山市に接し、北は富山湾に臨む。
あいの風とやま鉄道(旧、JR北陸本線)、富山地方鉄道本線、国道8号、北陸自動車道が通じる。
北西は「天然の生簀」と称される日本国内随一の魚介の宝庫である富山湾に面している。県南東部の3,000m級の「北アルプス」立山連峰を背景に、早月川と上市川に挟まれた扇状地の上に形成されている。当市を含む富山県東部と富山湾は、多彩な地質と地形を有していることなどから、「立山黒部ジオパーク」として日本ジオパークに認定されている。
1954年(昭和29)市制施行。市域の大部分は古代の加積郷の地。中心の滑川は江戸時代には北陸街道に沿う宿駅で、本陣があり、また加賀藩の藩倉が置かれるなど、加賀藩の宿場町として栄えた。明治時代から大正時代にかけては郡役所が置かれ、中新川郡の政治・経済の中心地として発展した。俳人・松尾芭蕉が立ち寄ったとも伝わっており、藩政時代から現代に至るまで、俳句が盛ん。
古くから盛んな農業やホタルイカ漁に代表される漁業に加え、医薬品や建材など幅広い品目で製造業も発展。早月川左岸の氾濫原に日本カーバイト、扇央部にYKKの工場があるほか、小規模な薬品工場が多い。
富山湾のうち、滑川市沿岸を中心とする一帯は「ホタルイカ群遊海面」として国の特別天然記念物に指定されており、毎年3月から5月の未明に実施される「ほたるいか海上観光」では、網にかかって青白く光るたくさんのホタルイカを観光遊覧船から眺めることができる。また、ホタルイカをテーマにした世界で唯一の施設「ほたるいかミュージアム」があり、漁期の間は生きたホタルイカが発光する様子を施設内で間近に観察することができる。日本国内有数の海洋深層水の産地でもあり、陸上取水施設をもつ富山県水産研究所や、海洋深層水を使ったタラソテラピー(海洋療法)を体験できる「タラソピア」や、海洋深層水を手軽に手に入れられる分水施設「アクアポケット」があり、市内では海洋深層水を使った製塩も行われており、海洋深層水を使用した特産品がある。ほかに、県自然環境保全地の東福寺には自然公園、みのわ温泉などがある。また、古くから受け継がれてきた民俗行事や文化が残っており、滑川沖の海中にあるとされる龍宮城伝説にちなんだ「ふるさと龍宮まつり」が毎年7月中旬に行われる。また、毎年7月31日には、中川原海岸(通称・和田の浜)で厄除けや無病息災などを祈願する火祭り「滑川のネブタ流し」(国指定重要無形民俗文化財)が行われる。ホタルイカ祭り、ベトナム・ランタンまつり、滑川ほたるいかマラソン、キラリングルメの森、滑川そばまつりなどのイベントもおこなわれる。
観光資源一覧
ホタルイカ漁 (富山県 滑川市 )
ホタルイカは、世界中で日本近海にのみ生息する小型の発光イカで、「ホタルイカ」の名前は1905(明治38)年、ホタルの生態調査を行っていた東京帝国大学の渡瀬庄三郎博士が名付けたとされており、学術名の「Watasenia scintillans(Berry, 1911)」は渡瀬博士に由来する。富山県の漁村では、古くは「マツイカ」「コイカ」などと呼ばれており...