岩沼市は、県中部、仙台平野の南部に位置する。北は名取市、南は亘理町、南から西は柴田町、西は村田町に接する。
 JR東北本線と常磐線の分岐点にあたり、国道4号、6号や常磐自動車道(岩沼インターチェンジがある)も通じる交通の要地。また、北東部の名取市にまたがって仙台空港があり、仙台空港とJR仙台駅を結ぶ仙台空港アクセス鉄道も通じる。
 奥羽山脈の東方に位置し、西の高館丘陵から東の太平洋岸に至るまでならだかに広がった平野が展開。南部の市界には阿武隈川が東流して仙台湾に流入しており、平地には田園地帯が広がっている。
 1971年(昭和46)市制施行。日本三稲荷の一つとされる竹駒神社が少なくとも室町時代末には存在しており、門前に集落があったと考えられ、近世も農業、飼馬、養蚕の神として庶民の信仰を集めていた。江戸時代には仙台藩の支城(要害)の城下町として、また奥州街道の宿駅として繁栄した。その後、「臨空工業地帯」の一角としての工業都市の性格も加わり、商工業都市として発展。
 仙台市のベッドタウンであり、仙台空港近くに臨空工業団地が造成されるなど、工場の進出もみられる。また、東北の空の玄関口という利点を生かした物流産業が盛ん。都市近郊農業も盛んで、米、白菜、メロン、リンゴなどの果物栽培がおこなわれる。
 中期前方後円墳のかめ塚古墳は県指定史跡。日本三稲荷の竹駒神社やぼたん苑のある金蛇水神社など著名な神社がある。また、武隈の松 (二木の松)が「おくのほそ道の風景地」の一つとして国名勝に指定。伝統行事として竹駒神社初午大祭(旧暦2月の初午の日から7日 間)や金蛇水神社花まつり(5月)等が有名。沿岸部には震災ガレキを用いて造成された「千年希望の丘」がある。近年は人気のラーメン店が数多くあることから「ラーメン激戦区」と呼ばれている。 このほか、レトルトカレー、牛タン、菓子(紫つつみ、手焼き道中せ んべい、竹駒奴、松籟、いなりあんもち)、漬物(奈良漬)等を特産する。

観光資源一覧