与那国の与那国馬(与那国島)よなぐにのよなぐにうま

那覇から650km離れた日本最西端の与那国島。この島の在来馬が与那国馬。日本に残る在来馬8種のうちのひとつで、沖縄にはほかに宮古島に宮古馬という在来種がいる。
 与那国馬の体高はおよそ110~120cm、体重は約200kgと小さく、全身が茶色、改良種には出ないといわれる、鰻線(まんせん)という背骨に沿ってたてがみから尻尾までをつなぐ濃い毛色の筋がある。
 性格は温順で、人に慣れやすく、粗食に耐える特性があり、四肢は強健、蹄が硬いので足もとの悪い山道でも問題なく、蹄鉄は不要。持久力に富み、島では昔から農耕などに用いられ、1970年代までは米やサトウキビや人の運搬をする与那国馬の姿が見られた。
 1969(昭和44)年に、与那国町の天然記念物に指定。沖縄本島、久米島、石垣島などでも飼育・保護されていて、2017(平成29)年に確認されている与那国馬は130頭(馬事協会発表)。
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みどころ

沖縄の民族の由来と発展の過程を究明する一助としても重要な存在だと考えられている与那国馬。与那国島ではほとんどの馬が半野生状態で放牧されていて、人間がエサをあげることはない。島の一定エリアを自由に動けるようになっていて、道路を歩く姿を見かけることもある。観察しやすいのは、島の東端、東崎(あがりざき)付近。特に朝夕は大海原に臨む岬の周辺で馬たちが自由に草を食んでいて、人の近くに寄ってくることもある。
 乗馬体験ができるのは「与那国馬風(う)牧場」。また「ヨナグニウマふれあい広場」では与那国馬を保護・飼育し、個体数を増やしている。
 沖縄本島の南城市、久米島、石垣島には一般社団法人ヨナグニウマ保護活用協会の会員牧場があり、与那国馬とふれあえる。
関連リンク 一般社団法人ヨナグニウマ保護活用協会(WEBサイト)
参考文献 一般社団法人ヨナグニウマ保護活用協会(WEBサイト)
公益社団法人日本馬事協会(WEBサイト)
『沖縄大百科事典』沖縄タイムス社、1983年

2020年04月現在

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