師走祭りしわすまつり

およそ1300年前、朝鮮半島・百済の王族が亡命したとされる伝説の地・美郷町南郷(みさとちょうなんごう)。流れ着いた父・禎嘉王と、王子である福智王が亡くなったのち、それぞれが神として祀られるように。異国の地で亡くなった王族の御霊を慰めるため、いつしか始まったのが師走祭り。木城町(きじょうちょう)の比木神社(ひきじんじゃ)に祀られた王子のご神体が、父・禎嘉王を祀る美郷町の神門神社までの約90kmの道のりを2泊3日かけて巡行する。祭事は現在では旧暦12月14日から16日(現在は1月下旬の金、土、日の3日間)に行われているが、かつては全行程を9泊10日かけて巡行していたという。
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みどころ

比木神社を出発した神幸行列を出迎える、神門神社の迎え火は必見。高さ5mほどの杉櫓がおよそ30基立てられ、それぞれに火がつけられ、空に向かって燃え上がるさまは圧巻。それらの杉櫓は地元住民らが一週間かけて準備したもので、地域との深い関わりが感じられてよい。
 村人による神楽で舞われるのは高鍋神楽。全33番だが、現在は時間の関係で18番を舞う。注目は「寿の舞」。齢200歳とされる鬼神が舞うもので、ユニークな仕草が特徴。ほかではなかなか見られない。
 3日目の内容も独特で、比木神社にお戻りになる御神体を、かまどのヘグロ(すす)で顔を真っ黒に塗りたくり、台所の炊事道具などを手に、「オサラバー」の掛け声で、見送るというもの。楽しい奇祭で一見の価値があるが、ヘグロは見学者も容赦なく塗られるので、汚れてもいい格好で出かけたい。
関連リンク 美郷町(WEBサイト)
参考文献 美郷町(WEBサイト)
みやざき観光情報 旬ナビ(公益財団法人宮崎県観光協会)(WEBサイト)

2020年09月現在

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