霧島山きりしまやま

宮崎県と鹿児島県にかけて広がり、最高峰は標高1,700mの韓国岳(からくにだけ)。獅子戸岳(ししこだけ)、新燃岳(しんもえだけ)、中岳(なかだけ)、高千穂峰(たかちほのみね)、白鳥山(しらとりやま)、甑岳(こしきだけ)など20以上の山からなる火山群の総称である。やわらかな山容に神秘的な火口湖を複数抱いているのも特徴で、大浪池(おおなみのいけ/おおなみいけ)や不動池(ふどういけ)、白紫池(びゃくしいけ)、六観音御池(ろっかんのんみいけ)、大幡池(おおはたいけ)などが点在する。ちなみに韓国岳の名前の由来には、麓に住み始めた朝鮮系渡米人が母国を思い名付けたという説、 山頂近くが草木が生えない土地であることから転じて、「空(虚)の国」ということから名付けられた説など、諸説ある。
 九州南部から指宿・南西諸島へと延びる霧島火山帯の北部に属し、新世代第四紀に爆発が繰り返されて形成された。
 モミやツガの針葉樹が標高1,000~1,200mに分布し、アカマツ林の美しさも知られている。ノカイドウやキリシマミズキなど、霧島山付近にだけ分布するといわれる珍しい木も生育する。
 1934(昭和9)年、霧島国立公園に指定。現在は桜島や開聞岳などを加え、霧島錦江湾国立公園となっている。
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みどころ

登山の楽しい火山群として知られる。ルートも多く、また散歩からハイキングコース程度、さらには健脚向きまでルートの選択肢が多いのがいい。2018(平成30)年ごろからの火山活動で中岳、新燃岳、硫黄山(いおうやま)をはじめ、登山口の幾つかは利用できない状況なので、噴火警戒レベルとともに、事前に確認してから訪れたい。
 南九州では珍しく降雪があり、冬季に樹氷などを見に行くのもおすすめ。新緑や秋の紅葉も迫力あり。麓や山腹に温泉地も点在しているので、登山と合わせて楽しみたい。
 いくつもの峰とコースがあるが、中でも、高千穂河原から高千穂峰往復コースは手軽に登れる山であり、その山容の美しさ、そして馬の背とよばれる登山道あたりからの眺望が見事で人気がある。
 天孫降臨伝説のある山でもあり、全国的にも有名な霊峰で、登山口には約770年前に霧島神宮があったという古宮址があり、こちらも見ておきたい。坂本龍馬とその妻・お龍が新婚旅行で登った山としても知られ、龍馬が姉・乙女に送った手紙にも書かれている、山頂にある天の逆鉾(あまのさかほこ)もみどころの一つ。
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補足情報

*火山活動の状況により立入規制がされる場合があるため、最新の規制状況を事前にご確認ください。
関連リンク 霧島市(WEBサイト)
参考文献 霧島市(WEBサイト)
かごしまの旅(公益社団法人鹿児島県観光連盟)(WEBサイト)

2020年09月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。