普光寺磨崖仏ふこうじまがいぶつ

大野川北岸にある普光寺の境内にある磨崖仏。ひときわ目立つのが、垂直の岩壁に彫られた不動明王で、偏平な彫りだが、高さ12mもの巨像である。左右に従えているのは、左がせいたか童子、右がこんがら童子。いずれも鎌倉時代の作といわれている。この像より少し奥まった2つの岩窟にも石仏や磨崖仏があるが、剥落が著しい。
 境内に植えられた約3,000株のアジサイもみごとで、6月中旬~7月中旬ごろが見ごろである。
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みどころ

絶壁の崖にある磨崖仏は、いったいどのようにして彫られたのか、興味が尽きない。豊後大野周辺に多くの磨崖仏が見られるのは、凝灰岩に覆われた地質的な特性のためで、普光寺磨崖仏はそのなかでも最大級といわれる。不動明王像は牙をむき出し、両眼を見開いているが、風化が進んで丸みを帯び、見る場所によってさまざまな表情に見える。
 アジサイのなかを歩道がめぐり、磨崖仏に近づける。対岸から崖全体を眺めるだけでなく、真下から見上げる、ほぼ同じ高さの横から覗くなど、見方のバリエーションも魅力である。アジサイの時期は、アジサイ越しの磨崖仏を撮影する人で賑わう。