五木・五家荘の渓谷
熊本県五木村と八代市泉町の五家荘は九州脊梁山地にあり、国道445号線や川辺川により隣接する。地理的・民俗的な共通点も多いことから「五木・五家荘地域」と呼ばれる。
五木村は県南部の球磨郡北端に位置し、九州自動車道人吉ICから車で約50分にある。標高1,000m以上の山々が連なる山岳地帯で、村の中央を川辺川が流れ、川沿いに国道445号線が走る。五木村では今から約17,000年以上前の旧石器時代の石器が見つかっており、川辺川ダム事業に伴う埋蔵文化財発掘調査においても、流域に数多くの縄文時代の遺跡が確認されたことから、はるか昔から人々がこの地で生活していたと考えられる。五木村は「子守唄」発祥の地としても知られる。山深い五木の厳しい暮らしを助けるために子守奉公に出された幼い娘たちが、親やふるさとへの思いを口ずさみ歌い継がれたものが五木の子守唄となり、1935(昭和10)年にNHK熊本から全国放送されたのを始めとして、1950(昭和25)年にレコードとなり全国的流行となった。毎年11月に行われる五木の秋祭りでは、五木の子守唄が披露される。
五家荘は、五木村から国道445号線を北東に20kmほど進んだところで、標高1,300~1,700m級の山々に囲まれた人里離れた秘境として知られる。五家荘とは久連子・椎原・仁田尾・葉木・樅木の5地区の総称で、久連子・椎原・葉木は壇ノ浦の戦いに敗れた平家の子孫緒方家の一族が、仁田尾・樅木は菅原道真の子孫左座(ぞうざ)家の一族が地頭として治めてきたと伝わり、江戸時代は幕府の直轄地(天領)であった。五家荘に隠れ住んだ平家の落人たちが、遠い都の妻や子を思いながら舞ったといわれる久連子古代踊り*など、伝統芸能や文化が継承されている。
面積の大部分を森林が占める五木・五家荘地域は、木材生産のほかにも、森林の保全により地域景観の魅力を高めるなど、森林を観光資源とした地域振興に取り組んでいる。
なお、五家荘を訪問する際は曲がりくねった細い山道を通るので、車の運転には十分気をつけたい。
五木村は県南部の球磨郡北端に位置し、九州自動車道人吉ICから車で約50分にある。標高1,000m以上の山々が連なる山岳地帯で、村の中央を川辺川が流れ、川沿いに国道445号線が走る。五木村では今から約17,000年以上前の旧石器時代の石器が見つかっており、川辺川ダム事業に伴う埋蔵文化財発掘調査においても、流域に数多くの縄文時代の遺跡が確認されたことから、はるか昔から人々がこの地で生活していたと考えられる。五木村は「子守唄」発祥の地としても知られる。山深い五木の厳しい暮らしを助けるために子守奉公に出された幼い娘たちが、親やふるさとへの思いを口ずさみ歌い継がれたものが五木の子守唄となり、1935(昭和10)年にNHK熊本から全国放送されたのを始めとして、1950(昭和25)年にレコードとなり全国的流行となった。毎年11月に行われる五木の秋祭りでは、五木の子守唄が披露される。
五家荘は、五木村から国道445号線を北東に20kmほど進んだところで、標高1,300~1,700m級の山々に囲まれた人里離れた秘境として知られる。五家荘とは久連子・椎原・仁田尾・葉木・樅木の5地区の総称で、久連子・椎原・葉木は壇ノ浦の戦いに敗れた平家の子孫緒方家の一族が、仁田尾・樅木は菅原道真の子孫左座(ぞうざ)家の一族が地頭として治めてきたと伝わり、江戸時代は幕府の直轄地(天領)であった。五家荘に隠れ住んだ平家の落人たちが、遠い都の妻や子を思いながら舞ったといわれる久連子古代踊り*など、伝統芸能や文化が継承されている。
面積の大部分を森林が占める五木・五家荘地域は、木材生産のほかにも、森林の保全により地域景観の魅力を高めるなど、森林を観光資源とした地域振興に取り組んでいる。
なお、五家荘を訪問する際は曲がりくねった細い山道を通るので、車の運転には十分気をつけたい。
みどころ
川辺川とその支流沿いに滝や吊り橋が点在し、特に紅葉の美しさは格別で、色鮮やかな渓谷美を求めて多くの人が訪れる。五木村の山深くにある「五木の大滝」は落差35m。大滝までの遊歩道はアカガシやブナなどの原生林に囲まれ、絶景が楽しめる。樹齢500年を超える「宮園の大イチョウ」は高さ45mの大木で、黄色に染まる紅葉期にはライトアップで一段と見ごたえがある。五家荘には土地の言葉で滝を意味する“轟(とどろ)”とつく滝があり、その中で落差約70mの「せんだん轟の滝」は迫力満点で、遊歩道で滝つぼの目の前まで近づくことができる。梅の木轟公園吊橋は長さ116m、高さ55m、ロープや支柱を使わないつり橋で、橋の上から見る渓谷と森林の景色は息をのむほど。吊橋を渡ると「梅の木轟」へ続く遊歩道がある。五木村と五家荘を移動する車からの眺めもすばらしい。
歴史や文化を紹介する施設も数多く、五木村の中心部にある歴史文化交流館「ヒストリアテラス五木谷」や茅葺き民家が建つ「子守唄公園」、平家の落人伝説を紹介する「五家荘平家の里」や「緒方家」「左座家」「久連子古代の里」など、この地域に長い時の流れがあることを物語っている。
山里料理が味わえるのも魅力の一つ。鹿肉やイノシシ肉を使った料理、田舎そば、渓流育ちのヤマメの塩焼きなど、山里の食文化が今も受け継がれている。
歴史や文化を紹介する施設も数多く、五木村の中心部にある歴史文化交流館「ヒストリアテラス五木谷」や茅葺き民家が建つ「子守唄公園」、平家の落人伝説を紹介する「五家荘平家の里」や「緒方家」「左座家」「久連子古代の里」など、この地域に長い時の流れがあることを物語っている。
山里料理が味わえるのも魅力の一つ。鹿肉やイノシシ肉を使った料理、田舎そば、渓流育ちのヤマメの塩焼きなど、山里の食文化が今も受け継がれている。
補足情報
*久連子古代踊り:久連子鶏の黒くて長い尾羽をつけた笠をかぶるのが特徴。手製の桶太鼓をたたきながら、遠い都を思って舞う姿は哀愁を帯びている。8月15日、9月1日、11月3日に舞う。
参考文献 |
五木村観光情報センター(WEBサイト) 八代市経済文化交流部観光振興課(WEBサイト) 五木村(WEBサイト) 「五木・五家荘地域再生計画」八代市 「五木・五家荘マップ」五木村観光案内所、五家荘観光案内所 |
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2024年12月現在
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