出津教会
長崎バスで出津文化村下車、徒歩8分。西彼杵半島西岸の外海地域*にある教会。パリ外国宣教会のフランス人司祭、ド・ロ神父*が設計し、私財を投じて1881(明治14)年に、レンガ造りの小さな聖堂を建設した。そののち、信徒がふえたので、1891(明治24)年、現在の祭壇方向に約1.5倍の長さに広げ、上に十字架をいただき小塔を建てた。さらに1909(明治42)年、正面玄関部を増築した。飾り気のない、質実剛健な、外海で初めての教会である。
外海地域は1571(元亀2)年にキリスト教が伝わり、宣教師の駐在所が置かれるなど宣教が進んでいた。しかし、豊臣秀吉、次いで江戸幕府は徐々にキリスト教の禁教政策を強化していき、他の地域と同様に外海地域のキリシタンたちも潜伏*を余儀なくされた。
外海地域は1571(元亀2)年にキリスト教が伝わり、宣教師の駐在所が置かれるなど宣教が進んでいた。しかし、豊臣秀吉、次いで江戸幕府は徐々にキリスト教の禁教政策を強化していき、他の地域と同様に外海地域のキリシタンたちも潜伏*を余儀なくされた。
みどころ
この教会のレンガの壁は、すべて漆喰でおおわれている。一見、レンガ造りに見せないこの方法は、大浦天主堂と同じ方法である。教会の中で左右に男女が分かれて座るに合わせて、教会の左の側面に「男の横門」、右の側面に「女の横門」と呼ばれる出入口を2個ずつ備えてある。
ド・ロ神父は、外海地域の宗教、文化、産業、医療などの向上に貢献し、特に女性たちにパン、マカロニ、ソーメンなどの作り方、織物などの機械の技術に加え、日記の付け方や算術まで教え、女性の自立を促した。重要文化財である旧出津救助院*とド・ロ神父記念館*では、ド・ロ神父の功績について紹介しているので訪れたい。さらに長崎市外海歴史民俗資料館*や遠藤周作文学館*にも足を伸ばすとよいだろう。
ド・ロ神父は、外海地域の宗教、文化、産業、医療などの向上に貢献し、特に女性たちにパン、マカロニ、ソーメンなどの作り方、織物などの機械の技術に加え、日記の付け方や算術まで教え、女性の自立を促した。重要文化財である旧出津救助院*とド・ロ神父記念館*では、ド・ロ神父の功績について紹介しているので訪れたい。さらに長崎市外海歴史民俗資料館*や遠藤周作文学館*にも足を伸ばすとよいだろう。
補足情報
*外海:大村領だった西彼杵半島は、東西に二分して、内海(うちめ)と外海(そとめ)と呼ばれていた。内海は大村湾で内湾であるから波は静か、外海は、五島灘で外洋で、風は強く波が高い。リアス式海岸で、平地が少なく、人間が住みにくい。山林の奥深いところは居住者が何をしているかわからない。耕地があまりなく住民は貧しく、日々の生活は苦しかった。
*ド・ロ神父:明治になり信徒が発見された後、外海地区にも多くの信徒がいることを知ったプチジャン司教は、印刷出版事業・医療救護活動などに従事していたド・ロ神父を、1879(明治12)年、出津・黒崎地区の主任司祭として赴任させた。ド・ロ神父は生涯をこの長崎の地に捧げることになる。
*潜伏:潜伏キリシタンたちは、身の回りの物を信心具として代用したり、山岳信仰の聖地や寺社に祈りを捧げたり、集落を維持するために別の土地に移転するなどしながら、ひそかに進行を続けた。大野集落の潜伏キリシタンは、表向きは仏教寺院に所属しつつ、宣教師に代わる指導者を中心に組織的に信仰を続けた。
*旧出津救助院:かつての代官所跡をド・ロ神父が購入し、織物・縫物・素麺などの食品加工など、女性の自立支援のための作業所として、1883(明治16)年に建てた施設。建物は、国の重要文化財の指定を受けている。
*ド・ロ神父記念館:ド・ロ神父が1885(明治18)に建て、鰯網工場や学校などいろいろと使われてきた。現在は、神父の足跡をたどる所縁の品々を展示する。建物は、国の重要文化財の指定を受けている。
*長崎市外海歴史民俗資料館:古代から現代までの外海の人びとの暮らしを紹介する。潜伏キリシタン、隠れキリシタンに関する資料、外海の父と呼ばれるド・ロ神父の生涯についても知ることが出来る。
*遠藤周作文学館:外海が登場するキリシタン時代の小説『沈黙』を書いた遠藤周作の生涯や足跡を紹介する。
*ド・ロ神父:明治になり信徒が発見された後、外海地区にも多くの信徒がいることを知ったプチジャン司教は、印刷出版事業・医療救護活動などに従事していたド・ロ神父を、1879(明治12)年、出津・黒崎地区の主任司祭として赴任させた。ド・ロ神父は生涯をこの長崎の地に捧げることになる。
*潜伏:潜伏キリシタンたちは、身の回りの物を信心具として代用したり、山岳信仰の聖地や寺社に祈りを捧げたり、集落を維持するために別の土地に移転するなどしながら、ひそかに進行を続けた。大野集落の潜伏キリシタンは、表向きは仏教寺院に所属しつつ、宣教師に代わる指導者を中心に組織的に信仰を続けた。
*旧出津救助院:かつての代官所跡をド・ロ神父が購入し、織物・縫物・素麺などの食品加工など、女性の自立支援のための作業所として、1883(明治16)年に建てた施設。建物は、国の重要文化財の指定を受けている。
*ド・ロ神父記念館:ド・ロ神父が1885(明治18)に建て、鰯網工場や学校などいろいろと使われてきた。現在は、神父の足跡をたどる所縁の品々を展示する。建物は、国の重要文化財の指定を受けている。
*長崎市外海歴史民俗資料館:古代から現代までの外海の人びとの暮らしを紹介する。潜伏キリシタン、隠れキリシタンに関する資料、外海の父と呼ばれるド・ロ神父の生涯についても知ることが出来る。
*遠藤周作文学館:外海が登場するキリシタン時代の小説『沈黙』を書いた遠藤周作の生涯や足跡を紹介する。
関連リンク | 長崎市文化観光部文化財課(WEBサイト) |
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参考文献 |
長崎市文化観光部文化財課(WEBサイト) 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター(WEBサイト) 長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産ガイドマップ⑤外海の出津集落 「ながさき巡礼」長崎巡礼センター 長崎文献社 「長崎・天草の教会と巡礼地完全ガイド」長崎文献社 |
2024年12月現在
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