雲仙のミヤマキリシマ群落うんぜんのみやまきりしまぐんらく

ミヤマキリシマは、長崎県の県花で別称ウンゼンツツジとも呼ばれ、雲仙では標高700m以上の高地に群生している。町の北東、雲仙ゴルフ場付近一帯に群落する「池の原のミヤマキリシマ」は国の天然記念物に指定されている。
 霧島へ新婚旅行に訪れた植物学者・牧野富太郎*が発見し、「深い山に咲くツツジ」という意味で「ミヤマキリシマ」と命名した。
九州の高山特有*の細葉小花のツツジ。
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みどころ

ミヤマキリシマは、細葉小花のツツジで、葉の大小、光沢、色彩などに変化がみられるのがこの花の特徴。
 雲仙地獄周辺では4月下旬頃から咲き初め、池の原園地や宝原園地の群落は5月上旬から中旬頃、その後、仁田峠一帯へと移り5月中旬から下旬頃が見ごろとなる。
 仁田峠周辺のミヤマキリシマは妙見岳を背景に、広くあたり一面に咲き乱れる様は、まさにピンクのカーペット。岩肌に張り付いたように根付き一生懸命花を咲かせている様は可愛らしく、この地域の満開の花はスケールが壮大すぎて、全然カメラの画角に収まらないほどである。ロープウェイの駐車場を中心に乗り場側と売店の裏側、どちらも道が整備されていて、散策を楽しめる。
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補足情報

*牧野富太郎:1862(文久2)年-1957(昭和32)年。日本の植物学者。 「日本の植物学の父」とよばれ欧米に比べて100年は遅れているといわれた植物学を世界に近づけるよう努力した人のひとり。 日本人で始めて植物の学名を付け、1500の新種に名前を付けた。
*九州の高山特有:ミヤマキリシマが自生するのは九州の火山と周辺の高原だけ。日本百名山の阿蘇山・くじゅう連山・霧島連山をはじめ、雲仙岳や由布岳などの観光地としても有名な山にも咲く。

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