伊ノ浦瀬戸(針尾瀬戸)いのうらせと(はりおせと)

大村湾の海水が佐世保湾へ流れ出るときに生じる急流。外海の佐世保側と大村湾の満潮・干潮の時間に大きな差ができるため、潮の流れが速くなり渦潮が発生する。最大急潮9ノット。瀬戸の幅は狭いところで約200m。
 急流をまたいで、佐世保市側(針尾島)と西海市側(西彼杵半島)を結ぶ西海橋*と新西海橋*の2本の橋が架かる。
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みどころ

橋の上からのぞき込むと、潮の流れの速さがよく分かる。それは流れというよりもむしろ海底から次々湧き出しているように見え、ぐるぐる回る洗濯機のよう。そこから時折ゆるやかな渦が生まれ、またほどけてゆく。表情がくるくると変わり見飽きない。
 新西海橋の遊歩道には、床にガラス張りの4つの窓があり、真上から渦潮を見られる。
 瀬戸全体を望むなら西海の丘の展望台がおすすめ。赤い西海橋と水色の新西海橋、その下を流れる急流を一望できる。
 一年の中で最も干潮と満潮の差がピークとなるのは、春の大潮の頃。この時期になると毎年「西海橋春のうず潮まつり」が開かれ、西海橋公園の桜とともに、多くの人が訪れる。
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補足情報

*西海橋:1955(昭和30)年完成。全長316m、海面からの高さ43mの上路式アーチ鉄橋。架設当時、この型としては世界第3位、東洋一の長さを誇った。
*新西海橋:2006(平成18)年完成。全長300mの中路式アーチ橋。桁下に歩行者専用の遊歩道が通る。