浅茅湾あそうわん

対馬の中央南よりの部分が西側から沈降してできた典型的なリアス海岸。西側には幅3kmの大口瀬戸が口を開き、東側は江戸・明治に掘削された大船越瀬戸と万関瀬戸で対馬海峡に通じている。
 湾内には、仁位(にい)湾、濃部(のぶ)湾、洲藻浦(すもうら)などの支湾があり、さらに細かい湾入がいくつも見られる。その湾入の間には無数の半島や小島が存在する。
 波穏やかな内海の浅茅湾は、古代から日本と大陸を結ぶ重要な航路の拠点であったため、和多都美神社をはじめ海の神を祭った社が多くある。真珠や魚介類の養殖も盛ん。
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みどころ

対馬は島の面積の89%が山林に覆われ、標高200~300mの山々が海岸まで続いている。道路も山深いところにくねくねと続いていて、見通しのきくところが少ない。およそ“島”という言葉からは想像がつかないほどだ。
 上見坂展望台などの高台から見下ろすと、そんな険しい島の様子がよく分かる。浅茅湾は、険しい山地が海に沈んでできた内海。海に沈んだ場所はノコギリの歯の様な複雑な海岸線と無数の島々となり、陸地として残った場所は急峻な山並みとなったのだ。
 浅茅湾はシーカヤックで巡るのもおすすめ。静かな内海なので初心者でも安心して楽しめる。海面近くから見上げる岩々は迫力満点。