長崎ペンギン水族館ながさきぺんぎんすいぞくかん

長崎ペンギン水族館は長崎市中心街の東側の橘湾に面して立地しており、長崎駅前交通広場バス停からバスで約30分で到達する。
 長崎ペンギン水族館の前身である長崎水族館は1959(昭和34)年に開館しているが1998(平成10)年に閉館した。しかし長崎市民やペンギンファンの願いもあり、移転・規模縮小の上で2001(平成13)年に体験型水族館として長崎ペンギン水族館が開館している。
 旧長崎水族館は捕鯨船が南氷洋から持ち帰ったペンギンを優先的に受け取ることができ、南氷洋からの4羽のヒゲペンギンを展示飼育した。飼育・繁殖技術については長崎水族館時代から多くのノウハウを持ち、海外の文献に「長崎方式」として知られている。
 現在のペンギン水族館は総面積 32,000m(陸域 22,000m、水域10,000m)であり、水域を確保して利用しており、世界に生息するペンギン18種類のうち9種のペンギン約180羽を飼育している。
 ペンギン水族館には様々な魚も見ることができるが、ペンギンに限った施設としては亜南極ペンギンプール*、ペンギン情報室、コガタペンギン飼育室*、温帯ペンギンゾーン*、屋外のふれあいペンギンビーチなどがある。また研究機関としてペンギン研究室*を設けている。
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みどころ

ペンギンに特化した水族館でユニークであり、研究に対する姿勢も評価される。
 特に屋外の「ふれあいペンギンビーチ」は世界初の試みで、ペンギンが自然の海で泳いだり、ビーチでのんびり休んだりと自由気ままに過ごすペンギンたちをビーチで間近に観察することができる。水族館に帰る時間になると飼育員がエサの魚をもってビーチの離れたところに来ると、飼育員のエサやり場所に向かって砂浜を駆け上り我先にと走る姿がおもしろく最大の魅力で必見。普段は動きが緩慢でよちよち歩きの姿がかわいいが、意外性がある。
 屋外の海では4月末~9月末までカヤックの体験もでき、初心者でもインストラクターが指導してもらえる。
 第1駐車場から水族館までの遊歩道は、長崎の昔ながらの里山を再現したビオトープがある。20年以上の歳月をかけて、水族館スタッフと来館者で少しずつ作ってきたビオトープであり、小さいながらも田んぼや小川、池など、昆虫や魚介類、植物など多様な生き物を見られ様々な自然を体験できる。
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補足情報

*亜南極ペンギンプール:国内最大級のプール。深さ4m、水量200t。のびのびと泳ぐ姿は空を飛ぶ鳥のよう。2階にはガラスに囲まれた地上部がありペンギンの休む様子が観察できる。
*コガタペンギン飼育場:オーストラリア・ニュージーランドに生息する世界で一番小さなコガタペンギンを展示している。
*温帯ペンギンゾーン:暖かい地域に生息するペンギンの屋外のプール。
*ペンギン研究室:ペンギンに関する研究・保全活動や飼育・繁殖技術向上を目的とした活動を行っており、(旧)長崎水族館時代から約60年間収集・保管された飼育に関する記録や画像、映像などの貴重な資料を後世に伝えるため、アナログ資料をデジタル化する作業を行っている。