長崎ペーロンながさきぺーろん

長崎の夏を盛り上げる勇壮なペーロン*船による競技会。長崎港内で開催され、長崎市の路面電車「大浦海岸通」で下車、徒歩約3分の長崎市松が枝国際観光埠頭を会場に一般対抗、職域対抗、中学校対抗、女性対抗で行われる。
 中国から伝わった和船の競漕で30人以内(漕ぎ手26名以内、太鼓、ドラ、舵手、采振り)の若者が、ドラ・太鼓で景気をつけながら独特の櫂でこぐ。深堀・茂木など6月初めから8月中旬頃まで市内各地区で実施され、7月最終日の土・日曜日に長崎市内各地区の代表が参加して行われる「長崎ペーロン大会」が特に盛大である。この長崎ペーロン選手権大会は360有余年の歴史がある長崎の伝統行事であり、ペーロンは1655(明暦元)年年頃に中国*から長崎に伝わったとされ、我が国のボートレースの元祖としても知られている。
江戸時代、ペーロン競漕は旧暦5月端午の節句に行われていたが、競漕に熱中するあまり各種の喧嘩沙汰が絶えなかったため、長崎奉行はたびたび禁止令を出した。その後長崎各地では大漁祈願のためにするものや竜神まつりと称するものとして徐々に復活し、海と関わりながら大人と子供の絆を深めていく大切な行事として、長崎では受け継がれてきている。
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みどころ

本戦の激闘シーンでは威勢のいい太鼓やドラが海に鳴り響き、「ヨーイッサー」という掛け声が響きわたる。往復1150m*のコースを決勝では6艇で競い合う。ペーロン船が水を切って進む姿は迫力満点。折り返しの急旋回にはかじ取りが重要で必見ものである。ゴール地点ではペーロン船の舳先が早くゴールしたものが勝ちとなる。ゴールの手前では太鼓とドラが激しく打ち鳴らされその間隔が早くなりスピードも速くなるので盛り上がる。
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補足情報

*ペーロン:語源は中国の白龍(パイロン)。古代中国で、天上界の皇帝である 天帝 に仕えているとされた竜の一種。
*中国:紀元前300年頃、中国の戦国時代の有能な政治家・屈原(くつげん)が、政治の不正と堕落を嘆いて汨羅(べきら)という川に身を投げ、地元の人が船を出して助けようとしたのがドラゴンボートの始まりで、屈原の遺体が魚に食い荒らされないようにドラや太鼓をたたいて魚を遠ざけたのが原型と云われている。
*往復1,150m:往路630m 復路520m
関連リンク DMO NAGASAKI(一般社団法人長崎国際観光コンベンション協会)(WEBサイト)
参考文献 DMO NAGASAKI 市内事業者向け情報サイト(一般社団法人長崎国際観光コンベンション協会)(WEBサイト)
ながさき旅ネット(一般社団法人長崎県観光連盟)(WEBサイト)
ナガサキインサイドガイド ナガサキベイデザインセンター(講談社)

2024年09月現在

※交通アクセスや料金等に関する情報は、関連リンクをご覧ください。