浜中町八本木宿の町並みはまなかまちはちほんぎじゅくのまちなみ

江戸時代に長崎街道の脇街道である多良海道の宿場町として栄えた。また、多良岳山系の清水と佐賀平野の米に恵まれ、江戸中期頃から酒造が次第に盛んになり、江戸後期には10数軒の酒屋があった。現在も全国に銘酒を送り出す酒蔵が3蔵残る。旧多良海道は通称「酒蔵通り」と呼ばれ、醸造町として初めての重要伝統的建造物群保存地区の選定を受けている。白壁土蔵造、洋風建築など、さまざまな建築様式の町家が並ぶ。
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みどころ

町の中心を通る旧多良海道は緩やかにカーブし、その湾曲に沿うように街は形成されている。通りからは家々が連なるように見えるので、奥行きのある風景が旅情を誘う。
 防火構造の居蔵造町家、土蔵造大型酒蔵、桟瓦葺真壁造町家、茅葺町家、武家住宅、洋風建築など、多様な建築が残り、家々を見て歩くだけでも楽しい。
 国登録有形文化財に指定された継場や、鹿島市の重要文化財である旧乗田家住宅など、価値の高い建物も見学可能で、観光案内や休憩所として利活用されているのもいい。
 また、通りの名前にも表れているように、現役の酒蔵が点在。お酒の無料試飲や酒蔵見学などが人気で、春には「鹿島酒蔵ツーリズム(肥前浜宿花と酒まつり)」が開催され、全国から日本酒ファン8万人以上が来訪し、新酒を買い求める。酒蔵めぐりや、このイベントを目当てに訪れる価値がある場所である。