角島大橋つのしまおおはし

角島大橋は山口県北西部の豊北町、中国自動車道下関ICから北へ約50km、JR山陰本線特牛(こっとい)駅からバスで25分にある。豊北町の北西約1.5kmに位置する角島*と本土を結ぶ、延長1,780m、幅員6.5m、2車線の橋で、1993(平成5)年に着工、1999(平成11)年に竣工し、2000(平成12)年に開通した。周辺海域の環境保全に配慮しながら、日本海に面した気象・海象条件などに対応するため、設計や工法に多くの工夫がなされ、保全された透明度の高い海、緑豊かな島影、弧を描く長大な橋梁という景観が生み出された。
 この大橋を展望する場所として、本土側には海士ヶ瀬公園*、角島側には瀬崎陽の公園がある。
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みどころ

本土側の角島展望台では、コバルトブルーの海、鳩島の緑、白い橋梁が織りなす豊かな景観に癒され、海士ヶ瀬公園では、技術の粋を集めた美しい弧を描く橋梁の見事さに圧倒される。角島側の瀬崎陽の公園からは鳩島が大きく見渡せ、本土とは反対の方向から角島大橋を展望できる。このほかに角島大橋を正面から見る絶好の場所がある。本土側の取付道路県道275号線の東側の高台を通る一般道であるが、この道路は生活道路のため配慮が必要。車は海士ヶ瀬公園の駐車場におき、ここから350mほど歩いて登って欲しい。
 角島大橋を渡るなら、ぜひ島内も観光したい。島の西端には国の重要文化財である角島灯台がある。1876(明治9)の竣工で、今なお現役で稼働している。高さは約30m、24m付近まで登ることができ、日本海はもちろん、透明度の高い海水と美しい砂浜が広がる大浜海水浴場などが一望できる。角島灯台がある夢崎と島の北端の牧崎の2つの岬周辺は公園で、ハマユウやダルマギクが咲き、日本海に沈む夕日も美しい。
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補足情報

*角島:面積3.84km2、鼓形のなだらかな丘陵の島で、夢崎と牧崎の両岬が牛の角に似ていることから角島と名付けられたと伝わる。
 角島の特産品はワカメで、万葉集にも記載されているほど古くから知られている。その万葉集の歌は「角島の迫門(セト)のわか海藻(メ)は、人のむた荒かりしかど、我がむたは、和海藻(ニギメ)作者不詳 巻16 3871」(角島の海峽に出來る、若藻のやうなあの戀ひ人は、人と一處に居ると、荒藻の様に荒々しくて、劔もほろゝに許なかつたが、私と一處に居ると、和藻のやうに、柔かな順な女になつて了つた 和辻哲郎訳)というもの。島内にはカフェ、食事処、特産品の販売所などもある。
*海士ヶ瀬公園:本土側から角島大橋を見て左が展望台、右が駐車場。