上下白壁の街並み
広島県東部、福山駅の北東約50kmに位置する。江戸幕府の直轄地・天領でもあったことから、商業・金融のまちとして栄えた。当時、33軒もの両替商、いまでいう銀行があったと言われ、幕末から明治維新にかけてはその資金が徳川政権さらには明治新政権をも支えたと伝えられている。当地の金融業者の資金力は、やがて地元の福祉や教育の充実を図るためにも使われ、行政に頼らず自らの資金で蟻集(ぎしゅう)財団*を設立、その活動は2013年まで続いた。
当地の財閥・角倉家が明治期に建てた蔵であり、その後は上下キリスト教会となった洋風建築、大正時代に建てられた中国地方随一の木造芝居小屋の翁座など、趣のある建物が並ぶ。白壁やなまこ壁、丁寧にほどこされた格子やうだつは風格がある。
上下の名前の由来の一つは、町の中に分水嶺があり、水が上(日本海)と下(瀬戸内海)へと分かれることからと言われている。
当地の財閥・角倉家が明治期に建てた蔵であり、その後は上下キリスト教会となった洋風建築、大正時代に建てられた中国地方随一の木造芝居小屋の翁座など、趣のある建物が並ぶ。白壁やなまこ壁、丁寧にほどこされた格子やうだつは風格がある。
上下の名前の由来の一つは、町の中に分水嶺があり、水が上(日本海)と下(瀬戸内海)へと分かれることからと言われている。

みどころ
メインストリートは白壁づくりの建物が続き、天領上下ならではの格式のある街並み。現在上下歴史文化資料館となっている旧岡田邸*は上下を代表する町屋建築。旧角倉財閥の蔵として建築された建物を上下キリスト教会として大切に受け継いできた町のシンボル的建築物、明治時代の建物で風情ある見張り櫓が当時の姿のまま残る旧警察署などは往時を偲ばせる。築100年の町家には泊まることもできる。街を歩くと、懐かしさを感じる看板や店先に飾られたお宝が目に飛び込み、古い物を丁寧に大切に思う人々の気持ちを感じる。上下の町の歴史を紐解くまちなみガイドツアーにも参加したい。旧家の長さを体感できる路地裏散策など、ガイドと一緒でないと立ち入ることができないスポットを訪れることができる。

補足情報
*蟻集(ぎしゅう)財団:1862(文久2)年、教育や農工業振興のために立ち上げた「勧業会」が前身。1911(明治44)年、上下の金融業者ら21名が出資して設立した財団法人。出資金を株や国債で運用し、公共工事や農家支援などを行ったとされている。行政からの助成を受けずに近年まで続いた、全国的にも珍しい組織。
*旧岡田邸:明治の文豪、田山花袋の小説「蒲団」のヒロインのとされる女流文学者・岡田美知代の生家。
*旧岡田邸:明治の文豪、田山花袋の小説「蒲団」のヒロインのとされる女流文学者・岡田美知代の生家。
関連リンク | 一般社団法人天領上下まちづくりの会(WEBサイト) |
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参考文献 |
一般社団法人天領上下まちづくりの会(WEBサイト) 一般社団法人府中市観光協会「FUN!FAN!FUCHU!!」(WEBサイト) 府中市教育委員会「ふるさとの歴史 -遺跡と文化財から見た府中(2014年)」 国土交通省 中国地方整備局「夢街道ルネサンス~中国路 歩いて・感じて・伝えたい」(WEBサイト) |
2025年02月現在
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