ふくやま草戸千軒ミュージアムふくやまくさどせんげんみゅーじあむ

JR福山駅・福山城口(北口)から西へ400mの位置にある博物館は、1930(昭和5)年に芦田川の川底から発見された中世の港町・市場町である「草戸千軒町」の遺跡を中心に、瀬戸内地域の民衆生活と文化を紹介している。草戸千軒展示室には、中世の人々の暮らしぶりがよく分かる日常の生活用品などの出土品の展示のほか、発掘調査で明らかになった情報を基に「草戸千軒」の一角を実物大で復原している。
 1961(昭和36)年に草戸千軒町遺跡の発掘調査が始まると、様々な生活用品が大量に出土し、それまでほとんど分かっていなかった中世の人々の暮らしが明らかとなった。「東洋のポンペイ」として全国的な注目を集めたが、当初洪水で滅んだとされていた町は、約30年間に渡る発掘調査の結果、現在は何らかの理由で放棄されたと推定されている。その理由までは分かってはいない。
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みどころ

実物大で復原した草戸千軒町の町並みや多くの出土品からは、生き生きとした中世の暮らしぶりがよく分かる。中世の町の遺構が一定の規模で当時のまま出土し、発掘されたことは考古学的にも珍しい。
 草戸千軒町遺跡は博物館の西南約2kmに位置する。河道掘削工事により遺跡自体は形をなしていないが、法音寺橋の上から、遺跡があった中州や、草戸千軒の町の人々に信仰されていたとされる明王院を眺めることができる。