福山城ふくやまじょう

JR福山駅のすぐ北側にある。福山藩初代藩主の水野勝成*が、入封してからわずか3年で築城、1622(元和8)年に完成した平山城。西国鎮衛の拠点であり、五重天守をはじめ、本丸・二之丸には数多くの櫓や城門を配する。福山城天守北側は鉄板張りであり、鉄壁の防御の構えであった。これは全国の天守の中でも極めて特殊なもので、他に類例がない。
 1945(昭和20)年の福山空襲で伏見櫓・筋鉄御門・鐘櫓を除いて焼失したが、1966(昭和41)年に、天守閣・月見櫓・御湯殿を復元。2022(令和4)年には築城400年を迎え、全国唯一といわれる天守北側 鉄板張りを復元した。天守の内部は博物館として福山城や福山藩の歴史などを展示している。
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みどころ

近世城郭では最後の大規模な新規築城であり、築城の技術を集結してつくられた。そのひとつが、他に類例をみない天守北側 鉄板張りであり、ぜひ注目したい。また、櫓が多いことも福山城の特徴。特に、城郭で最も厳重な防備設備といえる多門櫓の総延長は600mにも及び、全国の城郭でも希な規模を誇った。また、江戸時代の軍学で城の理想像と言われた3段の石垣で構成される一二三(ひふみ)段を、歩いて体感しよう。
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補足情報

*水野勝成:安土桃山時代から江戸時代前期にかけての武将・大名。福山藩初代藩主。徳川家康の従兄弟にあたり、「鬼日向」の異名を持つ猛将。