平和記念公園へいわきねんこうえん

平和記念公園はJR広島駅から直線距離で南西に約2km、旧太田川(本川)が元安川と分岐する三角州の最上流部に位置する広大な公園で、原爆死没者の慰霊と世界の恒久平和を願い、爆心地に近いこの場所に1955(昭和30)年に完成した。江戸時代から昭和初期に至るまで広島市の中心的な繁華街であったが、1945(昭和20)年8月6日に人類史上初めて落とされた一発の原子爆弾により、一瞬のうちに破壊された。園内には、原爆ドームや広島平和記念資料館、原爆死没者慰霊碑、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館、平和記念公園レストハウス、平和の願いを込めて設置された数々のモニュメント、被爆したアオギリなどがあり、多くの人が訪れ、祈りを捧げている。
 原爆ドームは、相生橋の南側の元安川東畔に立つ。旧広島県産業奨励館。ほぼ真上で原爆がさく裂したことで爆風と熱線を浴びて大破、全焼したが、建物本体は奇跡的に倒壊を免れた。戦後、原爆ドームは原爆の惨禍とともに平和を訴えるシンボルとして保存されている。
 広島平和記念資料館は、1955(昭和30)年に開館。被爆者の遺品や被爆の惨状を示す写真や資料を収集・展示するとともに、広島の被爆前後の歩みや核時代の状況などが紹介されている。被爆体験を継承し、平和意識の高揚を図るため、被爆者による被爆体験講話、被爆者から被爆体験を受け継いだ被爆体験伝承者および家族伝承者による講話のほか、ヒロシマピースボランティアによる展示の定点解説、公園内の慰霊碑などの解説も行っている。
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みどころ

原爆ドームは鉄骨もあらわに焼けただけれて半壊し、原爆の傷跡を生々しく見せている。広島平和記念資料館は原爆の脅威を訴える品々ばかりで、世界平和を願う心を新たにせずにおかない。レストハウスにも旧中島地区の歴史とにぎわい、人々の営みがパネル展示されている。原爆投下前はこの地域に多くの人々の生活があったこともあわせて学ぶことで、平和への思いをより深くめぐらせたい。また、資料館では上述の講話のほか、慰霊碑などの解説も受けたい(被爆体験講話は要事前申し込み)。