縮景園しゅっけいえん

JR広島駅から西に約1km、京橋川の南側に位置する大名庭園。江戸時代初頭の1620(元和6)年に広島藩初代藩主・浅野長晟(ながあきら)が別邸の庭として築成した。作庭者は茶人としても知られる家老の上田宗箇(そうこ)。山川の景、京洛の態、深山の致を庭の中に縮景していることから「縮景園」の名が付けられたといわれる。池泉回遊式庭園*であり、園路を進むと変化に富んだ景観が現れる。1945(昭和20)年、広島に投下された原子爆弾により壊滅状態になったが、茶室なども含めて復元された。
 春は桜や桃、夏は新緑の木々、秋は紅葉、冬は梅や椿など、四季折々に異なる表情を見ることができる。
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みどころ

中央の濯纓池(たくちいけ)は跨虹橋(ここうきょう)によって二分され、巧みに配された茶室、山、川、島などを、1周でも半周でも、時間に合わせて巡ることができる。跨虹橋は園を象徴する半月形の石橋で、その形は美しく、実際に渡ることもできる。堅固な造りで、原子爆弾の破壊を免れた。
 中心市街地にありながら、自然豊かな景観の前に静かな時間が流れる。多くの野鳥が訪れ、バードウォッチングを楽しむ人も。
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補足情報

*池泉回遊式庭園:日本庭園の形式の一つで、池の周囲を一周しながら庭園を観賞する庭園。