壬生の花田植みぶのはなたうえ

田の神を祭って稲作の平穏と豊穣を願うと同時に、田植え作業を楽しくしようと生まれた行事で、美しく飾り立てた牛で代掻きを行い、華やかな囃子に合わせて田植えを行う。毎年6月第1日曜日に、北広島町役場から東に1.5kmほどの田を会場に開催される。広島市街からは北に約50km。
 中国地方一帯では、古くは中世から、田植唄を歌いながら大勢で田植をする囃し田(はやしだ)や田囃し(たばやし)などと呼ばれる民俗行事が行われてきたといわれる。囃し田は稲作儀礼であるとともに、従事者の慰安や、当時の農村における数少ない娯楽としての要素を持つ一大行事だった。大地主の中には盛大に囃し田を行う者があり、壬生の囃し田として近郷各地に知られていた。この囃し田に参加する牛は豪華な花鞍を更に造花や玉飾りなどで飾られ、太鼓や笛の音にあわせて、かすりの着物にたすき掛けで着飾った早乙女達が苗を植える。この様子があまりにも華やかであるところから花田植と呼ぶようになったと言われている。
 芸北民俗芸能保存伝承館には、飾り牛や早乙女、囃子などに関する実物大の模型なども展示されており、行事の様子を映像で見ることもできる。
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みどころ

のどかな風景に、総勢100余名が演じる華麗な田園絵巻が広がる。十数頭の飾り牛を自在に操っての代掻きは花田植の見せ場のひとつ。飾り牛となるのはこの日のために調教を重ねた黒毛の牛であり、金色の鞍や造花が華やか。オモウジと呼ばれる先頭の牛を操る人はオモウジ使いと呼ばれ、たいへん名誉な役とされている。田の神様と言われるサンバイの音頭に合わせて田植唄を歌いながら、田んぼにゆっくりと丁寧に早苗を植えていく早乙女たちによる田植えの様子も見逃せない。