ままかり寿司
「ままかり」とは、サッパという体長10~15cmほどのニシン科の魚を2枚におろして酢漬けにしたもので、「(自分の家のご飯を食べつくし)隣家にご飯(ママ)を借りに行くほどおいしい」ことに由来する。「ままかりずし」は、「ままかり」を握りずしにした岡山県の郷土料理で、昔から家庭の味としてつくられてきた。地元では酢漬けにする前の鮮魚も「ままかり」と呼んでいる。
サッパは東北以南の沿岸の汽水域に生息する。背が青くて腹が銀白色の外見は、同じニシン科のコノシロに似ているが、別の魚である。食用とするのは瀬戸内海沿岸や有明海沿岸地方で、その他の地方ではほとんど流通していない。江戸時代には岡山藩の特産物として、同じニシン科のヒラ*、コノシロとともに幕府に届け出された魚であった。ままかりは、江戸時代後期の1800年代初めに後楽園での行事の饗応膳に使用された記録が残っているが、藩主など身分の高い人の膳にはのらない魚であったという。春が旬のヒラは伝統的に田植え関連の行事で食され、秋に脂ののるままかりは秋の行事で食されており、その食習慣は昭和30年代頃まで残っていた。そのため、ままかりの名の由来を「稲(まま)刈り」とする説もある。
サッパは東北以南の沿岸の汽水域に生息する。背が青くて腹が銀白色の外見は、同じニシン科のコノシロに似ているが、別の魚である。食用とするのは瀬戸内海沿岸や有明海沿岸地方で、その他の地方ではほとんど流通していない。江戸時代には岡山藩の特産物として、同じニシン科のヒラ*、コノシロとともに幕府に届け出された魚であった。ままかりは、江戸時代後期の1800年代初めに後楽園での行事の饗応膳に使用された記録が残っているが、藩主など身分の高い人の膳にはのらない魚であったという。春が旬のヒラは伝統的に田植え関連の行事で食され、秋に脂ののるままかりは秋の行事で食されており、その食習慣は昭和30年代頃まで残っていた。そのため、ままかりの名の由来を「稲(まま)刈り」とする説もある。
みどころ
鮮魚の「ままかり」は、刺身、塩焼き、甘露煮、天ぷらなどでも食べられているが、酢に漬けて骨を柔らかくすると食べやすくなるため、酢漬けが定番である。それを握りずしのネタにしたり、同じく岡山の郷土料理である「まつりずし」*に使う。素焼きのままかりを熱いまま三杯酢に浸たす食べ方も一般的。4~11月にかけてよく獲れ、初夏は骨や皮がやわらかく、秋は脂がのっておいしい。
ままかりずしは、ハレの日の御馳走として、祭りや家族の祝い事には欠かせない料理であったが、近年は家庭で作られる機会は減り、店で食べる料理になってきている。土産用の握りずしや駅弁のまつりずしもあり、酢漬けは日常的にスーパーなどでも売られている。
ままかりずしは、ハレの日の御馳走として、祭りや家族の祝い事には欠かせない料理であったが、近年は家庭で作られる機会は減り、店で食べる料理になってきている。土産用の握りずしや駅弁のまつりずしもあり、酢漬けは日常的にスーパーなどでも売られている。
補足情報
*ヒラ:同じニシン科のコノシロやままかりに比べて全長は30~60cmと大きい。ほぼ岡山県以外では食べられていない。皮の下にたくさんの小骨があるため、「骨切り」した状態で売られていることが多い。家庭でのおもな調理法は煮つけだが、皮を引き「骨切り」の要領で薄造りにすれば刺身で食べられる。
*まつりずし:酢飯の上に錦糸玉子を敷き、地場の野菜や魚介など多くの種類の具をふんだんに盛り込んだ華やかなちらしずし。「ばらずし」ともいう。
*まつりずし:酢飯の上に錦糸玉子を敷き、地場の野菜や魚介など多くの種類の具をふんだんに盛り込んだ華やかなちらしずし。「ばらずし」ともいう。
関連リンク | 岡山観光WEB(公益社団法人岡山県観光連盟)(WEBサイト) |
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参考文献 |
岡山観光WEB(公益社団法人岡山県観光連盟)(WEBサイト) 岡山県鮨商生活衛生同業組合(WEBサイト) うちの郷土料理(農林水産省)(WEBサイト) 公益財団法人岡山県郷土文化財団(WEBサイト) |
2024年10月現在
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