西川緑道公園にしがわりょくどうこうえん

岡山駅から路面電車の通る「桃太郎大通り」を東へ約500m、中心市街地を南北に流れる西川用水の両岸に、1974(昭和49)年から1983(昭和58)年にかけて整備された公園。桃太郎大通りから、旧国道2号線と交わる瓦橋までの1kmが「西川緑道公園中流」で、北に「西川緑道公園上流」(0.9km)、南に「枝川緑道公園」(0.5km)が整備され、総延長2.4kmに及ぶ緑道となっている。
 西川は農業用水で、旭川から取水し、岡山市街の中心部を経て旧国道2号線の南で西川と枝川に分岐するが、いずれも児島湖に注いでいる。その原型は平安時代からあったと推定されているが、江戸時代の慶長年間に現在の位置に開掘された。城下町の防御をなす水堀の役目を果たし、生活用水や飲料水としても利用されていた。この用水は土の水路であったため漏水が激しく、昭和40年代に入り、改修工事が行われることになった。高度成長期には水路の縮小や埋め立てが各地で行われており、西川にもふたを架け道路とする計画が持ち上がっていた。しかし、当時の岡崎平夫市長は、車道を廃止し西川沿いを緑地や歩行者空間とする緑道公園の整備計画を発表した。道路幅の減少や自動車通行の禁止には商店会や地元住民の反対があり、調整の結果、両側に一車線ずつ車道を残す現在のかたちとなった。
 水路の両岸が遊歩道になっており、噴水、水上テラス、花壇広場などが設けられ、ヤナギを中心に約38,000本の樹木や四季折々の草花が植えられている。散歩道として、また憩いの場として広く市民に親しまれている。
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みどころ

岡山駅から近い繁華街のなかにあり、公園の整備にともなって市街地の再開発が進み、周辺の雰囲気が洗練されてきた。公園では「西川パフォーマー認定事業者」によって、通年でイベントが開催されている。野殿橋ステージでは、週末を中心に、さまざまなジャンルのライブ演奏が行なわれる。春から秋にかけて満月に近い土曜日の夜に開催される「満月BAR」は、2012年に始まった人気のイベントで、飲食ブースが出て、周辺の飲食店もオープンテラスとなり、料理やお酒を楽しむ人々で賑わう。市民と行政の協働で開催する大規模イベントとして、春・夏・秋季に「花・緑ハーモニーフェスタin西川」があるほか、冬には「西川イルミ」*があり、県外からも観光客が訪れる。
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補足情報

*西川イルミ:11月半ばから1月上旬にかけて行われる公園のライトアップ。「桃太郎大通り」から「あくら通り」までの約550mをLED電球で飾る。