備中松山城
高梁市街の北側、大松山・天神の丸・小松山・前山の4つの峰から成る臥牛山(480m)に築かれた山城。承久の乱(1221年)後に有漢郷(現・高梁市有漢町)の地頭となった秋葉重信が、1240(延応2・仁治元)年、最北峰の大松山(470m)に砦を築いたことに始まると伝わる。戦国時代には、山陰と山陽を結ぶ要地として激しい争奪戦が繰り返されるなかで、南の峰々にも曲輪が広がり、山麓には出丸が設けられて、山全体が要塞となっていた*。曲輪、堀切など中世のものを含む城址の8か所の遺構が、国の史跡に指定されている。
現在、一般に城として認識されているのは、小松山(430m)にある近世城郭部分で、1683(天和3)年、水谷(みずのや)氏のときに大修復したものといわれる。天守が現存する12城の一つで、そのなかでは唯一の山城である。秋から春にかけて雲海に浮かぶ姿が「天空の山城」としても知られている。天守とともに二重櫓と土塀の一部が現存しており、国の重要文化財に指定されている。
山上の城は平時の政務には不便なことから、山麓に藩主の居館と藩庁をかねた御根小屋(おねごや)があった。跡地は県立高梁高校になっており、敷地内に石垣や御殿の庭の一部が残っている。
現在、一般に城として認識されているのは、小松山(430m)にある近世城郭部分で、1683(天和3)年、水谷(みずのや)氏のときに大修復したものといわれる。天守が現存する12城の一つで、そのなかでは唯一の山城である。秋から春にかけて雲海に浮かぶ姿が「天空の山城」としても知られている。天守とともに二重櫓と土塀の一部が現存しており、国の重要文化財に指定されている。
山上の城は平時の政務には不便なことから、山麓に藩主の居館と藩庁をかねた御根小屋(おねごや)があった。跡地は県立高梁高校になっており、敷地内に石垣や御殿の庭の一部が残っている。
みどころ
険しい山頂にある山城で、最も近いふいご峠駐車場からでも、本丸まで徒歩20分の山登りが必要。途中、山麓の御根小屋と天守の伝達手段として使われた中太鼓櫓の石垣が残っていて、付近からは市街地の眺望がよい。城郭の入口では、高さが10m以上もある天然の岩盤の上に築かれた、迫力満点の石垣群が出迎える。大手門跡から南西の桝形に出ると、高さ1.5mの本瓦葺・白漆喰仕上げの土塀(三の平櫓東土塀)が9.7mに渡って残っている。壁面には、弓を射るための四角い矢狭間(やざま)と、鉄砲を撃つ円形の筒狭間がある。本丸には、1997(平成9)年に平櫓や門、土塀などが復元されている。天守は、天然の巨石を台とした、入母屋造・本瓦葺、土蔵造りの2層2階の建物。高さ11mのこぢんまりした天守だが、多様な格子窓を設け外観に変化をつけている。1階には籠城に備えた囲炉裏と藩主一家の居室となる「装束の間」があり、2階には城の守護神を祀った御社壇がある。天守の北側には同じく巨石を台とした二重櫓が建つ。
雲海に浮かぶ城の姿は、秋から春にかけて昼夜の寒暖差が大きく、無風などの気象条件が揃う早朝に、臥牛山東側の「雲海展望台」から見ることができる。展望台駐車場と本丸の間には、尾根伝いに中世の遺構をたどる遊歩道が整備されている。
雲海に浮かぶ城の姿は、秋から春にかけて昼夜の寒暖差が大きく、無風などの気象条件が揃う早朝に、臥牛山東側の「雲海展望台」から見ることができる。展望台駐車場と本丸の間には、尾根伝いに中世の遺構をたどる遊歩道が整備されている。
補足情報
*毛利氏が三村氏を退けた1574(天正2)年の備中兵乱の際には、臥牛山の周辺には21もの砦が築かれたといわれる。
※備中兵乱後は毛利氏が東方進出の拠点としていたが、関ヶ原の戦い(1600年)後は天領となり、備中国奉行の小堀政次・政一(遠州)父子が城番をつとめた。1617(元和3)年に備中松山藩が立藩され、池田氏が入封、以後、水谷(みずのや)氏・安藤氏・石川氏と藩主が交替し、1744(延享元)年に板倉氏が入り、明治維新まで続いた。水谷氏が3代で改易されたとき、城は赤穂藩預かりとなり、「忠臣蔵」で有名な大石内蔵助が1年ほど滞在した。
※備中兵乱後は毛利氏が東方進出の拠点としていたが、関ヶ原の戦い(1600年)後は天領となり、備中国奉行の小堀政次・政一(遠州)父子が城番をつとめた。1617(元和3)年に備中松山藩が立藩され、池田氏が入封、以後、水谷(みずのや)氏・安藤氏・石川氏と藩主が交替し、1744(延享元)年に板倉氏が入り、明治維新まで続いた。水谷氏が3代で改易されたとき、城は赤穂藩預かりとなり、「忠臣蔵」で有名な大石内蔵助が1年ほど滞在した。
関連リンク | 天空の山城 備中松山城(一般社団法人 高梁市観光協会)(WEBサイト) |
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参考文献 |
天空の山城 備中松山城(一般社団法人 高梁市観光協会)(WEBサイト) 岡山観光WEB(公益社団法人岡山県観光連盟)(WEBサイト) 「岡山県の歴史散歩」山川出版社 |
2024年10月現在
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