神庭の滝かんばのたき

中国勝山駅の北西約5km、旭川の支流で星山(1,030m)を源流とする神庭川水域にある。高さ110m、幅20mの中国地方随一のスケールを誇る名瀑で、一帯は国指定名勝(神庭瀑)、岡山県立自然公園に指定されている。
 水量が豊富で迫力があり、ただ豪快なだけでなく、岩肌に白布を引いたように見える水しぶきが神秘的だ。滝の中央には黒い岩が突起し、流れに逆らってのぼる鯉に似ていることから「鯉岩」と呼ばれている。
 周辺は「神庭の滝自然公園」として管理されており、駐車場から滝下まで遊歩道が整備されている。遊歩道や滝の付近には野生の猿が生息している。このサルを対象に、1957(昭和32)年から大阪大学による比較行動の研究が行われている。
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みどころ

駐車場から渓流沿いに遊歩道を15から20分ほど歩くと滝下に着く。滝の全体を捉えるには滝見橋や展望デッキのあるあたりがよいが、上流の橋まで登れば、滝をより間近で見ることができる。沢の水は澄んでいて、木々が生い茂る渓谷沿いの遊歩道を散策するのも気持ちがよい。新緑と紅葉の季節は格別である。
 阪大ニホンザル観察所手前の遊歩道脇には葺き屋根から落ちる雨だれにも似た「玉垂の滝」があり、駐車場下には高さは約7mだが迫力のある「滔々(とうとう)の滝」がある。公園管理事務所の裏側には、石灰岩が浸食されてできた「鬼の穴」と呼ばれる洞窟がある。
 野生のニホンザルは滝見橋付近でよく見られる。公園内にいない日もあるので、猿が目的であれば、ライブカメラなどで確認してから行くとよい。
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補足情報

*園内での飲食、犬などペットを連れての入園はできない。